【ネタバレあり】保志総一朗、「ガンダムSEED」キラ・ヤマトと歩んだ声優人生。最新作で探った“あのころのような弱さ”
「『もっと感情を爆発させていい』みたいな演出がありました」
今作では、アスランとの友情や青春を感じさせるシーンや、弱音を吐くシーンも出てくる。それらのシーンについて「ここにきて感情むき出しのキラを演じられたのは、ある種うれしかったです。それによって、キラ自身も成長できたなって感じました」と語る。
「感情を出すという部分で、いままで成長したキラを演じてきて、それが体に染みこんでいましたし、キラが弱さを見せるシーンも一つ大人になった部分を感じていたのですが、監督からは『子どもに戻っちゃっていい』くらいのことを言われて、『そうなんだ、キラはそこまで見せちゃっていいんだ!』と思いました。ただ、そうは言われてもなかなか難しい部分はあって、ずっとキラを演じてきて完全に『SEED』時代に戻ることは難しいけど、自分のなかで“あのころのような弱さ”という、落としどころを探っていった感じです。アスランと激しくぶつかるシーンがあるのですが、そこは『もっと感情を爆発させていい』『もっと弱さをさらけ出して』みたいな演出がありました。自分としては、最初は抑えがちでやっていたのですが、監督から『全然やっちゃっていいよ』と言われて」。
『DESTINY』から2年後の世界が描かれる今作。台本は分厚いものが2冊、アフレコは2回に分けて3、4人ずつで行われたとのこと。
「監督をはじめ制作に関わる皆さんに、キラの声を聴いてもらうのはすごく久しぶりという部分もあって、アフレコはとても緊張しました。前半のアフレコでは、オルフェ・ラム・タオ役の下野紘くん、シュラ・サーペンタイン役の中村悠一くんといった新キャラクターといきなり一緒で。ほかの現場では会っているけど、『ガンダムSEED』では初めての人たちばかりなので、とても不思議な気持ちでした。ラクス役の田中理恵さんとは一緒に録ることができなかったのですが、久しぶりに作品内で掛け合いをしたという意味では本当に何年ぶりだろうと、感慨深くてなんとも言えない感動がありました。後半のアフレコは、基本的にアスラン役の石田彰さん、シン役の鈴村健一くんとの3人チームで、そこにはちょっと熱いものを感じましたね。『DESTINY』でのキラは、アスランとシンとは違う陣営にいるのと、シンはキラのことを嫌っていたので、その3人が同じ方向を見て一緒に戦うシーンを録れてすごくうれしかったです」。