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ジェシー・アイゼンバーグが自身の初監督作への想いを赤裸々に語る「監督も俳優も続けていきたい」

インタビュー

ジェシー・アイゼンバーグが自身の初監督作への想いを赤裸々に語る「監督も俳優も続けていきたい」

撮影中に活発にアイデアを出していたという、ジギーの母エヴリンを演じたオスカー女優ジュリアン・ムーア
撮影中に活発にアイデアを出していたという、ジギーの母エヴリンを演じたオスカー女優ジュリアン・ムーア[c] 2022 SAVING THE WORLD LLC. All Rights Reserved.

エヴリンを演じるのはジャンルを問わず活躍しているオスカー女優ジュリアン・ムーア。ジギー役は「ストレンジャー・シングス 未知の世界」や『IT/イット』2部作、『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(21)で絶賛されたフィン・ウルフハードと、これ以上ないキャスティング。監督として2人とどんなディスカッションをしたのだろうか。「撮影をはじめたのは2021年の1月で、まだワクチンもなく、新型コロナウイルスによるダメージが大きい時期でした。ですからリハーサルもできないというとても特殊な状況。ただしフィンは1年以上前にAudibleを聴いてくれていて、完璧に役作りをしてくれました。ジュリアンは世界でもっともすばらしい女優の1人ですから、メールやビデオのやり取りだけで役をつかんでくれて、こんな声のトーンはどうか、こういう衣装が合うんじゃないかといろんなアイデアを出してくれました」と2人を称賛。おかげで現場に入ったあとは、役作りもほとんど手直しの必要はなかったという。

監督デビューについては「奇妙な感じ」次回作の構想も明らかに

本作はアイゼンバーグにとって初の長編映画監督作。監督デビューを果たしたいまの気持ちを聞くと「正直にいえば奇妙な感じ」だという。「実は、僕は自分が出た作品を観ないんです。監督したこの映画もいろんな映画祭で上映してもらいましたが、完成後は観ていません。観てしまうと、どうしても手直ししたくなりますから。だからいろんな人たちの反応も、そうなんだ…と奇妙な感覚で受け止めています」。シャイなアイゼンバーグらしい答だが、作品を作り上げた手応えはあったようだ。「映画を監督できたことは、僕にとって喜びでした。俳優に限らず、芸術の仕事は常に不安がつきものです。1つの仕事が終わったあと、次の仕事があるのかまったく保証はありません。そんななかで僕らにできることは、創作意欲を捨てず自分に挑戦し続けることだけなんです。なにかをやり続けることが、なにより大切だと思っています」。

第47回ドーヴィル・アメリカ映画祭でのプレミアにネイビーブルーのスーツで登場したアイゼンバーグ
第47回ドーヴィル・アメリカ映画祭でのプレミアにネイビーブルーのスーツで登場したアイゼンバーグ[c]SPLASH/AFLO

俳優のほか、プロデューサー、脚本家、作家としても活躍しているアイゼンバーグ。本作でその肩書きに新たに監督が加わった。最後にこれからも監督の仕事を続けていくのかと問うと「イエス、イエス、イエス!」と即答だった。「いま(2023年11月末)ちょうど2作目の監督作『A Real Pain』のポストプロダクションの真っ最中です。編集をしながら、追加撮影をしたいけど時間がないしどうしようと頭を悩ませているところ(笑)。いとこ同士の2人がポーランドに旅をする物語で、僕とキーラン・カルキンが演じています。この脚本も自分で書いたんですが、これからも監督と俳優どちらも続けていきたいと思っています」。


終始穏やかな口調でインタビューに答えてくれたジェシー・アイゼンバーグ監督
終始穏やかな口調でインタビューに答えてくれたジェシー・アイゼンバーグ監督

取材・文/神武団四郎

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