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超スケールな『室町無頼』製作発表会見で大泉洋節炸裂!「今後はずっと蓮田兵衛を演じていきたい」長尾謙杜、堤真一らも撮影秘話明かす

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超スケールな『室町無頼』製作発表会見で大泉洋節炸裂!「今後はずっと蓮田兵衛を演じていきたい」長尾謙杜、堤真一らも撮影秘話明かす

垣根涼介の歴史小説を映画化した『室町無頼』(1月17日公開)の製作発表会見が、2月11日に東京国際フォーラムで開催。主演の大泉洋をはじめ、長尾謙杜、松本若菜、北村一輝、柄本明、堤真一、監督と脚本を務めた入江悠が登壇し、スケールの大きな本作の撮影裏話を語り合った。

【写真を見る】長尾謙杜のコメントに思わず笑みをこぼす大泉洋
【写真を見る】長尾謙杜のコメントに思わず笑みをこぼす大泉洋

無法な行いをする者、またはその行為を意味する「無頼」。本作は無頼たちが腐りきった政治と世の中を叩き直そうと、命がけの戦いに挑み、自らの力で時代を切り拓こうとするアクションエンターテインメント作品だ。

 蓮田兵衛役の大泉洋
蓮田兵衛役の大泉洋

本作で激しいアクションや殺陣に挑んだ大泉は「舞台で殺陣をしたりするけど、ここまではなかった。だから去年の夏はずっと稽古してましたね。もう50歳ですから『久しぶりにアクションをやるので教えてください』と言うと、アクションの先生が体育会系の方で、初日から素振りで100回振らされましたね。このままいくと初日から大怪我しそうだったので『100本やめてください』ってじわじわ減らしましたよ(笑)。初日の立ち回りが終わった後、アクションの先生が『いや、感動したな!大泉さん頑張ってくれました』って泣いてましたよ」と言って笑いをとる。

骨川道賢役の堤真一
骨川道賢役の堤真一

堤も「僕、台本上では(アクションシーンが)あまりなかったんですよ。でも撮影所に入ってから、洋ちゃんと一騎打ちで、馬から降りて戦えとなってしまって。僕、今年還暦ですよ。腰が痛くて痛くて。撮影日以外は接骨院行くかマッサージ行ってましよ。やっても一手、二手かなと思っていたら全然違いましたね」と言うと、大泉も「そうそう、元々はなかったですよね。途中で監督が『いや~道賢と兵衛の一騎打ちが見たいな!』って言い出して(笑)。おじさんたちの殺陣は稽古が始まったらすぐ休憩入っちゃうんだよね」と大泉と笑いあった。

才蔵役の長尾謙杜
才蔵役の長尾謙杜

また、初めてアクションにトライした長尾は「刀を振る時代劇なのかなと思っていたんですけど、台本を読んでみて、刀じゃくなて棒なんだ!って驚きました。僕もアクションの先生から『初日はまず100本振ろうか!』ってところを、棒術だったのでいろんな振り方があって、500本ぐらいに増やされて泣きそうになりながらやりました(笑)」と言うと、大泉は「長尾くんのアクション、本当にすごいです。この映画はほとんど長尾くんの成長の物語なんですよ。東映は大泉さんの映画って言うけど、長尾君の映画ですよ!俺はそう思っているよ。途中から腹立ってきてね(笑)。最初なんて長尾くんって分からないくらい汚いんだけど、どんどんカッコよくなってきて」と長尾を称えた。

本作では大勢のエキストラを配して大規模なロケを敢行。大泉は「脚本を読み終わった時に痛快さ、気持ちよさみたいなものは大きかったんですけど、脚本のト書きを読むと、スケールがすごすぎて『どうやって撮るの?』と思いました。もう少しCGでやればいいのに、人力でやってて。いまの時代で言うと贅沢なやり方ですよね」とそのスケール感に驚いたとか。

大規模なロケについて語ったゲスト陣
大規模なロケについて語ったゲスト陣

さらに大泉は「『うわ~!』って一揆を起こすわけです。とんでもない広さのオープンセットで撮影していくので、監督の『カット!』の声が聞こえないんですよ。だから端のほうにいるエキストラさんなんてずっと一揆してるのよ。僕と堤さんなんて相当離れていたところで撮影しているので、『聞こえるわけないだろ!』って感じでした(笑)。『なんだこの世界感は?』って思っていたら入江監督が映画『マッドマックス』を観てて。それ目指してるの!?って」と言うと、堤も「かなり叫びましたが聞こえない。飢饉で埃っぽさを出すために巨大な扇風機で、はったい粉を飛ばすんだけど、口の中がじゃりじゃりになるんですよ」とうなずく。

長尾も「関所が爆発するシーンで、スタッフさんから『爆発が聞こえなかったなら手を振りますんで、それを見てリアクションを取ってください』と言われたんですけど、本番が始まると感じたことないくらいの大爆発で(笑)。ここまでやるのかっていうのが初日の撮影だったので、ここからの撮影が楽しみになった1日でした」とコメント。

唐崎の老人役の柄本明
唐崎の老人役の柄本明

柄本は「僕のところはもっぱら少人数の撮影でしたね」と言うと、大泉が「柄本さんにもアクションさせるのすごいよね!?そのお年で。頼みにくくありません?僕なら吹替えでやってくれよって言っちゃう。でも柄本さん、お見事なんですよ」と感心する。

芳王子役の松本若菜
芳王子役の松本若菜

松本は「私も少人数での撮影で、爆発とか殺陣はなかったんですけど、監督は今回、風にこだわっていらっしゃったので、木々が揺れる音とか、そういうこだわりが大きなスケールにつながっているので、早く完成した作品を観たいです。 私も巨大な扇風機に吹かれましたが、本当に聞こえないんですよ」と笑うと、大泉も「本当にセリフが聞こえないから、勘でしゃべるんですよ、『いま言ったな?』と読唇術で」と言って笑いをとる。

名和好臣役の北村一輝
名和好臣役の北村一輝

北村も「規模が大きすぎて『おはよう』って言いたくても、遠くにいるから挨拶も聞こえなくてね。皆さんすごい寒い日もぼろ雑巾みたいな衣装で。皆さんヒーローなのにボロボロで(笑)。僕は風も当たらない環境でしたが、本当に映画って大変だなって思ってました。あまりのスケールの大きさに自分のパートしか把握できてなかったね」と同意する。

メガホンをとった入江悠監督
メガホンをとった入江悠監督

それを受けて入江監督は「本当に人の数がすごくて、コロナ禍でこの企画を実現させるのが難しかったりもしたんですが、 エキストラさんが京都以外の関東からも参加していただいて、もう何千人って方が参加してくださったので、その人たちには改めてお礼を申し上げたいくらいですね」と心から感謝した。


また、本作の大泉が“大泉洋史上一番カッコいい”と称えられていることについて大泉は「普段は大体カッコよくない役なので」としたうえで「僕史上で言うとどうでもよくて、兵衛は分かりやすくカッコいいので男が憧れると思います。多くは語らず、一見ダメそうに見えるけど、信念を持っている。仲間を守って、立ち向かえないと思える敵にも立ち向かうんですよ。“無頼”と書かれた紙を手に立ち向かう姿はカッコいいですよね。なので今後はずっと蓮田兵衛を演じていきたい。名前も蓮田兵衛にする。蓮田兵衛をやるか、歌手をやるかの二択でやっていきます」と大泉節を炸裂。

書道家の武田双雲が書いた『室町無頼』という文字がデザインされた掛け軸を持つ大泉洋
書道家の武田双雲が書いた『室町無頼』という文字がデザインされた掛け軸を持つ大泉洋

最後に大泉は「近年ここまでのスケールで撮られている映画はそうないかと思います。男たちはカッコよくて、女性たちは美しくて、どこかいまの時代にも通ずる映画になっていると思います。完成しましたらぜひ観ていただいて、なにか自分でもアクションを起こしたくなる映画です」としっかりと映画をアピールし、会見を締めくくった。

文/山崎伸子

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