歴代編集者がキャラデザの裏話と『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の完成度語る「生で“ゴミ捨て場の決戦”を観ている感覚に近い」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
歴代編集者がキャラデザの裏話と『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の完成度語る「生で“ゴミ捨て場の決戦”を観ている感覚に近い」

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歴代編集者がキャラデザの裏話と『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の完成度語る「生で“ゴミ捨て場の決戦”を観ている感覚に近い」

2月10日より3日間にわたって、アニメイト池袋本店で「『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』公開直前振り返り上映会」が開催されている。その最終日となる12日、同店のアニメイトシアターでは「歴代編集担当者トークイベント」が行われ、集英社「週刊少年ジャンプ」編集部の本田佑行氏、東律樹氏が登壇した。

【写真を見る】「まったく飽きないくらい新しい画がどんどん登場してくる」「ハイキュー!!」歴代編集者が『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』見どころ明かす
【写真を見る】「まったく飽きないくらい新しい画がどんどん登場してくる」「ハイキュー!!」歴代編集者が『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』見どころ明かす

集英社「週刊少年ジャンプ」に2012年2月から連載が開始された『ハイキュー!!』は、バレーボールに懸ける高校生たちの熱い青春ドラマが人気を博したスポーツ漫画の金字塔。『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』では、原作の中でも人気の高いエピソード「烏野高校vs音駒高校」通称“ゴミ捨て場の決戦”が描かれる。

烏野高校と音駒高校の因縁について、本田氏は「『ライバルを作りましょう』というところからスタートしたエピソードだった」とした上で、「黒尾(鉄朗)と(孤爪)研磨は、影山(飛雄)とか日向(翔陽)のキャラの候補の一つだったんですよ。かなり初期のころから温めていたキャラクターデザインを使って登場したキャラクター」と裏話を披露。

さらに「最初のころの『ハイキュー!!』って、かなりロジカルに作っていて、構成がカッチリしているんです。1話で日向と影山が出会いますという話をして、次に日向と影山の関係性を作ります、という話をして。で、関係性ができたら、次は日向がチームで出てどうなるかという話をします、っていう」と話し、「一つ一つ段階を踏んで世界やキャラクターを拡張していくというところで、ゆっくりゆっくりやっていった」とストーリーを展開していく考え方を語った。

ストーリー展開の裏話を紹介する本田佑行氏
ストーリー展開の裏話を紹介する本田佑行氏

また、本田氏は「先輩から聞いたんですが、『HUNTER×HUNTER』で『冨樫(義博)先生はバトルを3話以上延ばさない』という話があって。『4話目に行ったら(アンケートの)票が落ちる』と言われた」と、同じく「週刊少年ジャンプ」連載の『HUNTER×HUNTER』における漫画で戦いを描く際のセオリーを紹介。続けて「『でも行けるんじゃないかな』と思って、初めて音駒とのエピソードは引っ張ってみたんですけど、てきめんに4話でちょっと反応が鈍って、『よくないね、これ』と思ったのをすごく覚えています」と『ハイキュー!!』でも同様の現象が起きていたことを打ち明けた。


劇場版の見どころを紹介する場面では、東氏が「生で“ゴミ捨て場の決戦”を観ている感覚に近いと思います。音がすごい良かった」とコメント。「劇場にあるスピーカーの数とか角度に合わせて作っているので、立体感が全然違うんです」とし、「『実際にコートの中に入って試合を拝見しています』という感じがすごくする」と音で奥行きが表現されていることのすごみを紹介した。

東律樹氏は劇場版の見どころを興奮気味に語る
東律樹氏は劇場版の見どころを興奮気味に語る

本田氏が「画もすごかった」と言うと、東氏は「ずっと同じ試合を見ているんですけど、まったく飽きないくらい新しい画がどんどん登場してくる。一回観ただけだと分からないくらいですよね」とうなずく。本田氏は「スッと流れていくカットが、実はものすごい工夫を凝らしたカットだったということに後から気がつく、みたいなことがたくさんあるんですよね」と話し、「観終わったすぐあとに『もう一回観たい』と思いました。話は知っているんですけど、映像の力が強すぎて、映像を観ること自体が気持ちいいんです。『もう一回この気持ち良さを浴びたい』みたいな気持ちになれる映画になっているなというのは、本当に忖度なしで思っています」と出来栄えを絶賛した。

そして声優の演技に関しては、東氏が「寿命が縮んでいるんじゃないかくらい、入魂の仕方がとてつもなかった」と称賛。「アフレコでも、吐息一つの精度の高さがえげつないんですよね。収録時間も試合通りの時間になってくるので、リアリティがある。声だけで言うとドキュメンタリーに近いようなものになっていると思うので、ぜひそのあたりに注目して観ていただきたい」と呼びかけていた。

取材・文/山田健史

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