運命が重なる瞬間を切り取る『パスト ライブス/再会』登場人物3人の感情が現れる5種の新ビジュアル
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(22)のA24と、『パラサイト 半地下の家族』(19)を配給した韓国CJ ENMが初の共同製作で贈る注目作、『パスト ライブス/再会』(4月5日公開)。本作より、新たに5種のビジュアルが公開された。
本作は、ソウルで初めて恋をした幼なじみの2人が、36歳となった24年後、ニューヨークで再会する7日間を描くラブストーリー。物語のキーワードは「運命」の意味で使う韓国の言葉“縁(イニョン)”。見知らぬ人とすれ違った時、袖が偶然触れるのは、前世(=PAST LIVES)でなにかの“縁”があったから。久しぶりに会った2人はニューヨークの街を歩きながら、これまでの互いの人生について会話を弾ませながら「選ばなかった道」に想いを馳せる。メガホンをとったのは、本作で鮮烈な長編映画監督デビューを飾ったセリーヌ・ソン。作品賞ほか4部門にノミネートされた第81回ゴールデン・グローブ賞では監督賞、脚本賞へのノミネートをはたし、第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞の主要2部門に見事ノミネートされた。
今回解禁された新ビジュアルのうち、3枚は初めて恋をした相手と24年ぶりに再会したノラ(グレタ・リー)とヘソン(ユ・テオ)の喜びと心が高揚する瞬間を捉えている。舞台はいずれもニューヨーク。地下鉄に乗り、言葉を交わさずとも、ひと時も視線を逸らすことなく、ずっと見つめ合う2人からは再会の胸のときめきがひしひしと伝わってくる。次に、ブルックリン・ブリッジ・パークからマンハッタンの摩天楼を眺め、お互いが過ごしてきた24年の歳月を語り合い、これまですれ違ってしまったことを確かめ合う後ろ姿は、子どもから大人になる時の流れのせつなさを感じさせる。そして、再会の夜、ノラの家の前に立つ2人は、この後どのような人生の選択をするのだろうか。
12歳の時ソウルで別れたあと、24歳の時にオンラインで再会をはたしながらも、24年ぶりに36歳で実際に再会する2人。その再会の時、ノラは作家のアーサーと結婚しており、それをわかった上でニューヨークまでノラを訪ねるヘソン。新ビジュアルに写しだされる2人の間には、再会の喜びや、ずっと忘れることはなかった想いに、いまのお互いの人生、いまの気持ち、そして24年前に確かに恋をした大切な気持ちが何層にも積み重なっている。
そしてもう2枚は、ノラと夫、アーサー(ジョン・マガロ)を捉えたもの。イルミネーションが瞬く広い庭で談笑する姿を映した1枚は、ノラとアーサーがアーティスト招聘プロクラムで初めて出会った日の夜の出来事。プログラムに参加しているほかのメンバーと食事を共にしながら、笑顔で見つめ合い、運命の出会いについて語り合う幸せそうな2人の姿。そしてもう1枚は、ベッドの上で向き合い、24年ぶりにノラに会いに来たヘソンとのことについて「初恋の2人が20年後に再会し、運命の2人だったと気づく」、「この物語で僕は、運命を阻む邪悪な米国人の夫だ」とユーモアを含みながらも素直な想いを打ち明けるアーサーとそんなアーサーに「黙って!」と笑いながら伝えるノラが、優しく甘い抱擁をする仲睦まじい瞬間を切り取っている。
初めて恋をした人同士の再会の物語に留まらず、誰もが一度は考える「もしも、あの時、別の選択をしていたら」、「もしも、あの時、この人を選んでいたら」という“もしも”への想い。自身の人生と重ねずにはいられない本作を、ぜひ劇場で味わい尽くして欲しい。
文/サンクレイオ翼