長編アニメ映画賞は『君たちはどう生きるか』!『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』はシリーズ2作連続受賞の快挙ならず
現在ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催されている第96回アカデミー賞の授賞式。長編アニメーション賞は、宮崎駿監督が10年ぶりに長編のメガホンをとった『君たちはどう生きるか』(公開中)が受賞。『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、残念ながら受賞には届かなかった。
先日発表された第47回日本アカデミー賞でも最優秀アニメーション作品賞を受賞した『君たちはどう生きるか』。北米では昨年12月に公開を迎え、日本のオリジナル作品として初めて北米興収ランキングのナンバーワンを獲得し、現在までで北米累計興収4500万ドルを突破する大ヒットを記録。前哨戦のひとつ、第81回ゴールデン・グローブ賞では長編アニメ映画賞を受賞。
2001年度に設立された長編アニメ映画賞でスタジオジブリ作品は、2年目となる第75回に『千と千尋の神隠し』(01)が受賞。以後、宮崎監督の作品からは『ハウルの動く城』(04)と『風立ちぬ』(13)が、ほかのスタジオジブリ作品からは『かぐや姫の物語』(14)と『思い出のマーニー』(15)、『レッドタートル ある島の物語』(16)がノミネートされたが、いずれも受賞には至っていなかった。そのため、今回の受賞は日本のアニメ作品としても21年ぶりの快挙となる。
惜しくも受賞を逃した『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、第91回の同部門受賞作『スパイダーマン:スパイダーバース』(18)の続編。公開されるや前作を上回る高評価を獲得し、前哨戦のアニー賞では作品賞などノミネートされた全部門を受賞する圧勝劇を展開していた。
昨年7月にストーリーもタイトルも明かされないまま日本公開を迎え、半年以上が過ぎた現在もロングラン上映が続けられている『君たちはどう生きるか』。3月3日現在で日本国内での累計興収は89億7000万円を突破。世界から熱視線を浴びた宮崎監督の渾身の一本を、是非とも劇場のスクリーンで堪能あれ。
文/久保田 和馬