『スパイダーバース』クリス・ミラー&フィル・ロードが監督!「アフターパーティー」を見逃すな|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『スパイダーバース』クリス・ミラー&フィル・ロードが監督!「アフターパーティー」を見逃すな

コラム

『スパイダーバース』クリス・ミラー&フィル・ロードが監督!「アフターパーティー」を見逃すな

これまでに類を見ないような圧巻の映像美を作り上げ、前作を凌ぐヒットを記録中の『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』(公開中)。同作をプロデューサーとして支えているのが、クリス・ミラーとフィル・ロードだ。

傑作を世に送り出し続けているフィル・ロードとクリス・ミラー
傑作を世に送り出し続けているフィル・ロードとクリス・ミラー[c]Everett Collection/AFLO

傑作を生みだし続けているこのコンビだが、近年は製作という立場が多く、ファンにとって少し寂しいというのが正直なところ。そんな彼らが監督、脚本としてがっつり関わっているドラマ「アフターパーティー」(Apple TV+にて配信中)をご存知だろうか。シーズン2が配信真っ只なかのいま、本作の魅力を紹介していきたい。

「羅生門」スタイルで殺人事件の謎を描く

【写真を見る】激アツコンビのミラー&フロードが手掛ける、「アフターパーティー」のハチャメチャな世界観
【写真を見る】激アツコンビのミラー&フロードが手掛ける、「アフターパーティー」のハチャメチャな世界観画像提供 Apple TV+

厳密に言えばロードは基本、エグゼクティブ・プロデューサーという立場で携わり、ミラーがほとんどのエピソードで監督や脚本を担当している「アフターパーティー」。

本作は、一件の殺人事件が起きたところから始まり、関係者への聞き込みから“誰が殺したのか”を明らかにしていく”フーダニット”な謎解きがベース。そこにクリス・ミラー&フィル・ロードのコンビらしい、くだらない笑いが盛り込まれた“ミステリー・コメディ”と呼ぶべき1作だ。

学生時代のある出来事にも話が及んでいく
学生時代のある出来事にも話が及んでいく画像提供 Apple TV+

シーズン1は高校の同窓会がテーマ。2次会でポップスターのエゼキエル(デイヴ・フランコ)が自宅で何者かに殺されてしまう。現場に駆けつけたダナー刑事(ティファニー・ハディッシュ)は、容疑者の第一候補であるアニク(サム・リチャードソン)をはじめとする同級生への聞き込みを行い、目撃者なき事件の真相を明らかにしていく。


デイヴ・フランコ演じるスターの死から幕を開けるシーズン1
デイヴ・フランコ演じるスターの死から幕を開けるシーズン1画像提供 Apple TV+

1話ごとに1人の容疑者にフィーチャーし、それぞれの視点から事件に関する出来事が語られる、いわゆる“「羅生門」スタイル”の本作。それぞれの人間関係や同窓会に参加した思惑、そして真犯人が1話ずつ徐々に浮き彫りになっていく。

多彩な映像スタイルでキャラクターの心情を表現

ミュージカルテイストなど多彩なスタイルが楽しめる
ミュージカルテイストなど多彩なスタイルが楽しめる画像提供 Apple TV+

ドラマの利点を生かし、じっくりと事件の全貌を明らかにしていくため見応えも抜群の本作。しかし、同じ話がシーズン(第1シーズンは全7話)を通して繰り返し語られるのは、少々くどそうと思う人もいるかもしれない。しかしそこはミラー&ロード、飽きないひと工夫がしっかりと施されている。

というのも、各人物から語られる物語は、細部が異なっているのはもちろん、映像表現のスタイルまで人物(各話)ごとに大きく異なっているのだ。

具体的に言えば、あるキャラクターの時はラブコメテイスト、とある人物の時はミュージカル、はたまたニューロティックスリラー調、美術を愛するキャラにフォーカスした回はアニメにもなったり…。

美術に長けたゾーイの回では、アニメ表現も登場する
美術に長けたゾーイの回では、アニメ表現も登場する画像提供 Apple TV+

「スパイダーバース」シリーズにも通じるようなジャンルを行き交う多彩な映像スタイルで、事件が各キャラクターからどのように見えていたのかを表現しており、飽きずに楽しめるのだ。

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