原作者の許可を得て、時系列やキャラ設定をマイナーチェンジ!「GOT」クリエイターが明かす、Netflixドラマ「三体」に施した“仕掛け”とは
“SF界のノーベル文学賞”ともいわれるヒューゴー賞を受賞した劉慈欣の世界的ベストセラー小説を原作にした実写ドラマシリーズ「三体」が、3月21日(木)よりNetflixにて独占配信。このたび、人気ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」に続いて本作のプロデューサーを務めたデイヴィッド・ベニオフと、第1話&第2話の監督を務めたデレク・ツァンが、本作に施したある“仕掛け”について明らかにした。
物語は1960年代から始まる。父を亡くし、人類に絶望した中国のエリート科学者は宇宙に向けて秘密裏に電波を発信。やがてそれが惑星“三体”の異星人に届き、未来の地球を揺るがす第厄災を招くことになる。「アベンジャーズ」シリーズのベンディクト・ウォンや「ゲーム・オブ・スローンズ」のリーアム・カニンガム、『2人のローマ教皇』(19)でアカデミー賞にノミネートされたジョナサン・プライスなど、国際色豊かな俳優の共演にも大きな注目が集まっている。
「私たちは原作に忠実でありたいですし、自分たちがこの本を読んで感じたのと同じものを感じてもらえるシリーズを作りたい」と語るベニオフは、原作を読んだことがないという人も楽しめ、かつ原作ファンが目新しさを感じることができるよう、劉慈欣の了承を得たうえで時系列やキャラクター設定をマイナーチェンジ。現代パートの主な舞台を中国からイギリスのオックスフォードに変更し、さらに誰しもが共感できるような普遍的なテーマを盛り込むなど工夫を施していったという。
さらにツァン監督は「地球が滅亡の危機に瀕するなかで人間がいかに行動するか、団結して乗り越えるために何ができるかを描きました」と、現代の実社会にも通じるテーマが描かれていることを明かす。「こうした物語は、地球が重大な局面を迎えているときでも人間は力を合わせることができる可能性があると教えてくれます」。迫り来る“人類史上最大の脅威”に、科学の力を駆使する人類はどう立ち向かっていくのか?壮大なSFと緻密なサスペンス、そして重厚な人間ドラマに注目しながら、この野心的なドラマシリーズを堪能してほしい。
文/久保田 和馬