議題は「人類を破壊するべきかどうか」AI同士の討論を描く意欲作『SINGULA』日本公開決定

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議題は「人類を破壊するべきかどうか」AI同士の討論を描く意欲作『SINGULA』日本公開決定

“AI同士が討論したらどうなるのか?”という題材で、堤幸彦監督が、キャストたった1人15役で挑んだ全編英語の意欲作『SINGULA』。本作が5月10日(金)に日本公開されることが決定した。

【写真を見る】ニューヨークのアードデザイナーZack Handlerが作成したニューヨーク版キービジュアル
【写真を見る】ニューヨークのアードデザイナーZack Handlerが作成したニューヨーク版キービジュアル

本作は、15体の人間そっくりのAIアンドロイド同士が「人類を破壊するべきかどうか」という究極のディベートを繰り広げるディベートクラブのバトルロイヤルデスゲーム。本作の原案原作は、2019年2月、舞台で上演されたAI達による討論劇「SINGULA」だ。15体のAIアンドロイドは情報学習能力を持ち、感情はない。規則を守らなければ即シャットダウン。本作で15体のAIをたった1人で演じるキャストに抜擢されたのは2.5次元やミュージカルなどで活躍しているspi。全編英語で15体15役のAIキャラクターを演じ分けている。最新技術によって撮影、編集された15体のキャラクターが一同に競演し交錯していく。主題歌は、r-906 feat.初音ミクが歌う「イフ」に決定。2018年に活動を開始したボカロP、r-906による書き下ろし楽曲となっており、堤幸彦監督の映像世界観をさらに魅惑的で幻想的な世界に彩っている。

本作は、昨年9月開催のマドリード国際映画祭では外国語映画として、監督賞、主演男優賞、脚本賞、サウンドデザイン賞の4つのコンペティション部門にノミネートされ「外国語映画最優秀主演男優賞」を受賞した。海外からの注目と評価は高く、今月はニューヨーク、ブルックリンで劇場公開となり、先日8日には堤幸彦監督がブルックリンでの上映後のティーチインに参加。また、ニューヨークのアードデザイナーZack Handlerが作成したニューヨーク版キービジュアルもお披露目となった。近年、音楽では“Gacha Pop(ガチャポップ)”と呼ばれるなど新定義されたジャパンカルチャーが人気だが、このビジュアルからも本作が、新たな日本発のカルチャーとして受け入れられていることが伝わってくる。

本作に関して、堤監督は「いままでの私の映画の中で最もヘンテコで、でもいちばん美しい作品かと思います。日常があたりまえにAI様に侵食されるまえにご覧いただきたく存じます」とコメント。また、spiは「もしもAIが15体集まって、人間について語るとなるとどうなるのか。宗教学、心理学、倫理観のぶつかり合いとワクワクする音響デザインと抜け出せない思考の渦をぜひ体験してください!」と本作の魅力を語った。


堤監督を含め映画制作、プロデュースチームは、本作の映画化に向けて、これまで観たことがない、体感したことがない、狂おしく美しい映画体験を創りたいと制作に臨んだ。この意欲作の日本公開に期待が高まる。

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