最後のピアノソロコンサート映画『Ryuichi Sakamoto | Opus』坂本龍一が観客に宛てたメッセージ
<スタッフコメント>
●空音央(監督)
「坂本龍一が意図したコンサートをできるかぎり忠実に映画化するため、本人含めスタッフ一同、全身全霊でOpusを作り上げました。出来上がった映画には物語やセリフはありません。ピアノと身体、音楽と表情だけのコンサート映画です。ウトウトしたら音楽に揺さぶられながら寝ちゃうのも一興。本物のコンサートのつもりで音に身を預け、体験していただければ、本人も嬉しかったんじゃないかと思います。Enjoy the concert!」
●ビル・キルスタイン(撮影)
「『Ryuichi Sakamoto | Opus』での私の担当は照明とカメラでした。撮影が始まると、坂本さんの演奏、美しいオーケストラ・レコーディング・ホール、入念なサウンド・レコーディングが相まって、まるで大聖堂で撮影しているかのような、あるいは森の中でじっと座っているかのような、独特の雰囲気が生まれました。私は常に観察する状態を維持するよう努めようと、坂本さんのライブ・パフォーマンスをスクリーンに収めるために、あらゆる仕草やディテールを記録できるように準備しました。
My responsibilities on Opus were light and camera. Once filming began, the combination of Mr. Sakamoto’s performance, the beautiful orchestral recording hall and the meticulous sound recording created a unique atmosphere – as if we were filming in a cathedral or sitting motionless in a forest. I tried to maintain a state of constant observation - to be ready to record every gesture and detail that could help translate the experience of Mr. Sakamoto’s live performance to the screen」
●川上拓也(編集)
「監督や現場スタッフのみなさんが、それぞれの役割を全うされて、丁寧に捉えた美しい撮影素材をお預かりし、その素材の素晴らしさに常に新鮮な刺激を受けながら、坂本さんが音のひとつひとつと語り合うドキュメンタリー映画と捉え、編集しました。大変光栄であり、純粋に楽しい作業でした」
●ZAK(録音、整音)
「この音を通して、その創造力、ピアノと一体化した身体、それが空間と調和する美しい生命を見て欲しい」
文/スズキヒロシ