眞栄田郷敦『ブルーピリオド』に「撮影が楽しくて楽しくて」と愛情爆発!高橋文哉&板垣李光人&桜田ひよりと紡いだ青春
累計発行部数700万部を超える人気マンガ「ブルーピリオド」が、眞栄田郷敦主演、萩原健太郎監督によって実写映画化されることが決定(8月9日公開)。情報解禁日となった4月2日の22時から東京・ena美術(旧新宿美術学院)でライブ配信が行われ、眞栄田をはじめ、高橋文哉、板垣李光人、桜田ひよりが取材に応じた。
2017年に「月刊アフタヌーン」で連載が開始され、「マンガ大賞2020」を受賞するなど国内外で絶賛された山口つばさの人気コミックを実写映画化する本作。からっぽだった高校生が1枚の絵をきっかけに美術の世界に本気で挑み、国内最難関の美術大学である東京藝術大学を目指して奮闘していく姿を描く。この日は原作者の山口の出身校でもあり、本作のロケ地のひとつでもあるena美術(旧新宿美術学院)でイベントが行われ、キャスト陣の後ろには劇中にも登場する絵が飾られた。4人は配信が始まる前から仲よく会話を交わすなど、息ぴったりの様子を見せていた。
周囲の人望も厚く成績優秀だが、空気を読んで生きる日々に物足りなさを感じている主人公の高校生、矢口八虎役を演じる眞栄田は、本作の撮影前に半年以上の月日をかけて絵画練習に励んだという。眞栄田は「音楽のほうではあるんですが、僕も高校の3年間は藝大を目指していて勉強をしていたのですごくご縁を感じました。気持ち的にわかることもありました」と告白していた。
自分の“好き”について葛藤する八虎の同級生、ユカちゃんこと鮎川龍二役を高橋。八虎の最大のライバルで、驚異的な画力を持つ高橋世田介役を板垣。八虎が苦難にぶち当たるたびに乗り越えるきっかけをくれる美術部の先輩、森まる役を桜田が演じているが、ライブ配信には原作者の山口から「4人のキャラクターのなかで、誰と友だちになりたいですか?」と質問が届くひと幕もあった。「みんなクセ強いな」と笑った眞栄田は、「なにかをやる時に、世田介みたいな人がいると燃える」と刺激を与えてくれる存在をあげ、高橋は「ユカちゃん」と自身の演じたキャラクターに愛情を傾けつつ「一緒に遊びたいのは八虎。苦しい時には世田介に出会いたい」と話す。桜田は「森まるちゃんです。癒される。ジェンガとかしたい」と目尻を下げ、板垣は「ユカちゃんかな」と回答。高橋が「一緒に買い物とか行ったら最高だよね」と目を向けると、2人でうなずき合っていた。
ライブ配信後には取材に応じた4人。いよいよ実写化決定の情報解禁日を迎え、「ドキドキしていました。解禁日というのは作品において大事なこと」と心境を打ち明けた高橋は、「原作ものってビジュアルが大事なので。第一印象が解禁される時は、役者からするとすごく緊張する瞬間。どんなにこだわって、どんなに悔いがなくても緊張するなあと感じました」とコメント。板垣は「公開が8月9日ということで、熱い夏が始まるなと思いました」と笑顔を見せ、桜田は「幅広い方に観ていただきたい。まだまだいろいろなキャストも出るので、そこもぜひ楽しみにしていただけたら」と呼びかけた。眞栄田は「めちゃくちゃ観てほしい作品。ドキドキと不安でいっぱいです」と公開に向けて、期待と緊張感に満ちているという。
八虎は美術という表現の世界で、情熱を武器に前に進んでいこうとする。同じく表現の世界を生きる役者たちも共鳴する点や刺激を受けることも多かった様子で、眞栄田は「正解のない世界で戦う苦しさや迷いは、すごく共感ができる部分でした。自分のカラーを出していけるんじゃないかなという楽しみにも共感ができた」と心を寄せながら、「この撮影は本当に苦じゃなかった。スケジュールが大変な時もありましたが、撮影が楽しくて楽しくて。(八虎から)パワーをもらっていたのかも」と充実感もたっぷり。「この作品に対して愛情が沸いている。思い入れがある。萩原監督とは撮影に入る前からこだわりを持って、熱くいろいろな話をしながらやっていました。この作品をつくる過程もすごく好きでしたし、関わっている人たちも、出来上がりも好き」と本作への愛情をあふれさせていた。
板垣は「美術というものは、学校のテストのように点数がつけられるものではなくて。人それぞれ、一人一人の感じ方も違ってくるもの。でも受験というのは、そこに対して誰かが評価をして、自分の人生を左右するところもある」と美大受験の厳しさについて思いを巡らせつつ、「それでも自分の好きだというものを信じて、突き進んでいかないといけない。役者という、表現という大きな括りで言えば同じことをしている身としては、また違うベクトルではあるけれど、心の底から共鳴できた。完成した作品を観て力をもらう部分もすごくありました」とキッパリ。
桜田も「いろいろな刺激があってこそ、人間って成長できるんだなと改めて思えた」と本作に背中を押されることがあったといい、「私たちも演技の世界で、映画やドラマなどに携わっていくなかで、相手役の方々からもらうエネルギーや、台本からもらうものなど、人からもらうものがたくさんある。そういう部分は、通じているものがあるんじゃないかと思う」と人との繋がりも実感できた作品だと語っていた。
取材・文/成田おり枝