『MICKEY 17』で初タッグのポン・ジュノ&ロバート・パティンソン、シネマコンで褒め合い合戦「監督こそ私のヒーロー」
現地時間4月8日から11日にかけてラスベガスで行われた、劇場経営者やメディア向けのコンベンションの「CinemaCon 2024」を現地レポート。ワーナー・ブラザースのスタジオプレゼンテーションにて、非英語作品として初のアカデミー賞作品賞受賞を成し遂げた『パラサイト 半地下の家族』(19)のポン・ジュノ監督が、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』(21)のロバート・パティンソンを主演に迎えた『MICKEY 17』(2025年1月31日北米公開)を引っ提げ、シネマコンに初登壇。パティンソンと共に、本作の魅力をユーモアたっぷりに語った。
エドワード・アシュトンによるSF小説「ミッキー7」が原作である本作でパティンソンが演じるのは、宇宙における危険なミッションを行う“使い捨て”の乗組員、ミッキー。氷の惑星の植民地化のため派遣された調査団チームの一員で、肉体が死んでも記憶をそのままに再生できるため、危険な任務ばかりを任せられ、何度も死んでは生き返ることを繰り返す。しかし事態は思わぬ方向に…。
ポン・ジュノ監督はまず映画タイトルに触れ、「“17”はつまり、ミッキーが死んだ回数です。そう、私は原作よりも10回多く彼を殺したわけです」と会場の笑いを誘った。ヒューマンドラマでもあるという本作は「これは最終的に世界を救うことになるただの男の物語で、あまりないタイプのヒーロー映画。私は自分が典型的なヒーローものを作るのに適したタイプの映画監督ではないと思っていたので、おかしなアプローチを取ったんです」と語った。パティンソンは本作の脚本を読んだ感想を「ポン・ジュノ監督こそ私のヒーローですよ。脚本は私が人生で読んだなかでもっとも普通じゃなくて、オリジナリティにあふれていて、おもしろくて、奇妙なものでした」と明かす。
ポン・ジュノ監督は初タッグを組むことになったパティンソンをべた褒め。「彼のような人に会ったことがありませんでした…目を見たらもうおかしくなっちゃいましたね!劇中、彼はすべてのミッキーを違うバリエーションで演じてくれたんです。それに撮影中、彼はとてもクリエイティブにあふれた男性で、たくさんのアイデアを示してくれました」。何人もの“ミッキー”を演じたパティンソンは、いかにして彼らを演じ分けたのかと聞かれると、「彼らは複製された人間なので、メイクや髪型を変えることはできないんです。違いを出すには本当に些細な点、例えば声色を変えたりなどはしました。かなり難しかったですが、とてもおもしろかったですよ」とポイントを明かした。
パティンソンほか、マーク・ラファロやスティーヴン・ユアン、ナオミ・アッキーなど豪華キャストが脇を固め、ポン・ジュノ監督のユニークな世界観に期待が高まる本作は、2025年1月31日に米公開予定。
取材・文/MOVIE WALKER PRESS編集部