トニー・レオンや韓国の恋愛番組が参考に!?『パスト ライブス/再会』感情の機微をとらえた本編特別映像

映画ニュース

トニー・レオンや韓国の恋愛番組が参考に!?『パスト ライブス/再会』感情の機微をとらえた本編特別映像

A24と韓国のCJ ENMが共同製作を務め、第96回アカデミー賞で作品賞と脚本賞にノミネートされた『パスト ライブス/再会』(公開中)。このたび本作から、グレタ・リー演じる主人公のノラと、ユ・テオ演じる幼なじみのヘソンの心の機微を映しだした本編特別映像が解禁された。

【写真を見る】“せつなさ”を体現するため、グレタ・リー&ユ・テオが徹底的なアプローチ「目の演技にかかっていた」
【写真を見る】“せつなさ”を体現するため、グレタ・リー&ユ・テオが徹底的なアプローチ「目の演技にかかっていた」Copyright 2022 [c] Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved

韓国の言葉で“運命”を意味する“縁(イニョン)”を物語のキーワードとした本作は、24年ぶりに再会した幼なじみの2人が過ごす7日間を描いたラブストーリー。ソウルに暮らしていた12歳のノラとヘソン。お互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住によって2人は離れ離れになってしまう。12年後にそれぞれの人生を歩んでいた2人はオンラインで再会。そこからさらに12年の歳月を経て、ノラが作家のアーサーと結婚していることを知りながらも、ヘソンは彼女に会うためにニューヨークを訪れる。

このたび解禁された映像には、ハドソン川を往く観光船に乗って自由の女神やニューヨークの街を眺めながら、会話をしたり写真を撮ったりとデートを楽しむノラとヘソンの姿が切り取られている。ふとした瞬間に相手を見つめ、想いを馳せるように遠くを見つめたり、照れや気遣うような視線。ニューヨークの街並みを眺める後ろ姿など、24年という長い時間の空白を感じさせない2人の様子が窺える。

グレタ・リーとユ・テオは、体の使い方や表情でせつなさを表現するため、パフォーマンスアーティストのマリーナ・アブラモヴィッチが2010年の「The Artist Is Present」で見せた、長い時間を経て再会した者同士が言葉なしで対話をするパフォーマンスを参考にしたり、初恋の人や小さい頃に人生に影響を与えた人とサプライズで再会するという韓国の恋愛番組を見て考察を重ねたという。「体がどんな反応を示すのか。大切な人と再会した時の衝撃は、信じられないほど大きい」とリーは明かしている。


さらにユ・テオは、“目で語る男”と称賛される名優トニー・レオンの演技から影響を受け、目の演技を意識して役に臨んでいたことを振り返っている。「互いの脆さが垣間見えつつも台詞がないシーンを、どれほど深く演じられるか。それは目の演技にかかっていました。目は脳や心、感情に通じる窓となっている」。緻密なアプローチによって体現された2人の感情の機微に注目しながら、切ない再会の物語をじっくりと味わってみてはいかがだろうか。

文/久保田 和馬

作品情報へ

関連作品