「名探偵コナン」山口勝平&堀川りょうが語り合う、キッド&平次への想い。彼らと歩んだ“これまで”と“これから”
「『名探偵コナン』のメンバーは、僕にとって幼なじみのよう」(山口)
――キッドと平次は、コナン/新一からいつも刺激を受けています。山口さんと堀川さんは、お互いの存在から刺激を受けることはありますか。
山口「もちろんです。『名探偵コナン』のアニメシリーズは28年続いていて、りょうさんをはじめ、キャスト、スタッフなど『名探偵コナン』を作っている人、みんなからいつもいい刺激をもらっています。りょうさんは、僕らの代からは先輩にあたりますが、『名探偵コナン』の現場には僕とデビューが近いメンバーも多くて。一緒に成長してきたというとおこがましいですが、ずっと一緒にこの業界で歩みを進めてきたメンバーです」
堀川「長寿番組のよさは、そういった絆が自然と生まれてくるところですよね。『名探偵コナン』のメンバーは、キャストもスタッフも一緒になって旅行に行ったりしますから」
山口「そこはやっぱり、(高山)みなみさんの存在が大きいですね。みなみさんが率先して旅行に行く企画を立ててくれたりと、みんなをしっかりとまとめてくれる。コロナ禍は叶いませんでしたが、収録後にはスタッフさんも一緒にご飯に行ったり」
堀川「特に僕はそういうのが大好きだから(笑)!『名探偵コナン』は収録が始まるのがだいたい16時とか17時くらいで、19時半、20時くらいに終わる。この時間がいいんですよ。『終わったら、みんなでご飯を食べよう』と言われているようなものでしょう(笑)?これからも収録の時間は変えないでほしいな」
――30年近く同じ時間を過ごすことで、家族のような存在になっているのでしょうか。
山口「家族というか、僕にとっては幼なじみのようですね。とても近い存在として、ずっと時間を共に過ごしているような気がします」
堀川「役者だけではなく、脚本を書かれるライターの方、絵を描かれる方、音響の方をはじめ、それぞれみんな登る道筋は違うけれど、同じ頂上を目指している。飲み会でも『ここへ向かって行こうぜ!』なんて話はしませんが、心のなかでは『いい仕事をして、またここでいい酒を飲もうな』と通じ合っていることを感じられるのが、『名探偵コナン』の現場です」
――時間と共に信頼も積み重ねて、すばらしい結束力が生まれているのですね。
堀川「みなみとは、青山(剛昌)先生の『剣勇伝説YAIBA』の時からずっと一緒ですからね。ご縁なのか、こうしていまでも一緒に演技ができるというのは感慨深いものがあります。『名探偵コナン』でも知らず知らずのうちにみんなが影響しあって、全員が『この人がやるからこそ』という魅力ある演技をされているなと。和葉もみやむー(宮村優子)が演じるからこその、和葉になっている。違う人が演じたら、また違うキャラクターになっていたことでしょう。この作品でしか作れないキャラクターや関係性というものがあって、それは一生に一度というくらいの出会いだとも言えます。それが長寿番組になっているのですから、この出会いは大切にしていきたいなと思っています」
山口「キャストもおそらく、それぞれの役の魅力を一番理解して演じられる人が揃っているのではないかなと感じています。もちろん青山先生が生みだされたキャラクターが魅力的であるということが一番ですが、キャストもそこに寄り添える人たちばかり。バランスもとてもいいなと思っています。平次は、『名探偵コナン』のキャラクターのなかでもまっすぐさで言ったら一番だというようなキャラクター。りょうさん演じる平次はいつも全力で、そこが本当にいいんですよね」