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「名探偵コナン」山口勝平&堀川りょうが語り合う、キッド&平次への想い。彼らと歩んだ“これまで”と“これから”

インタビュー

「名探偵コナン」山口勝平&堀川りょうが語り合う、キッド&平次への想い。彼らと歩んだ“これまで”と“これから”

「怪盗キッドはキャラクター自体がエンタテインメント」(山口)「これからも熱を忘れずに平次を演じていきたい」(堀川)

キッドと平次にたっぷりと愛情を傾けた山口勝平&堀川りょう。キャラクターの魅力や、演じる楽しさを明かした
キッドと平次にたっぷりと愛情を傾けた山口勝平&堀川りょう。キャラクターの魅力や、演じる楽しさを明かした撮影/河内彩

――あらゆる作品で心に残るキャラクターを演じ、キャリアを築かれてきたお2人。キッドと平次というキャラクターは、ご自身のキャリアにとってどのような存在でしょうか。

堀川「平次を演じる時はいつも、自分の高校生のころを思い浮かべながらやっています。もう何十年も前だけれど、一度だけチーフプロデューサーに『17歳の役を俺が演じていいのかな?』と聞いたことがあって。その時に『あなた以外に誰がやるんですか?』と言っていただけたことで、『やっていいんだな』と感じられたんですが、もし自分が『高校生である』ということを信じられなかったとしたら、僕は平次を演じられないと思います。アニメーションのなかでキャラクターを演じるということは、年齢も性別も超越できるということ。人間でないものを演じる場合だってありますから。たとえば僕が詰襟を着て『高校生です!17歳です!』と言って目の前に現れたら、『ふざけんなよ』と怒られますよね(笑)。でもアニメならば、それができる。非常に特殊なエンタテインメントだなと思うし、平次はそういったアニメのよさをたっぷりと感じさせてくれるキャラクターです。17歳のころって、物事を単純明快に考えて、スポーツやいろいろなことに燃えたりするような時期。これからも、その熱を忘れずにいたいなと思っています」

西の高校生探偵・服部平次の魅力が炸裂!
西の高校生探偵・服部平次の魅力が炸裂![c]2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

――山口さんは、怪盗キッドの正体で『まじっく快斗』の主人公である高校生の黒羽快斗も演じられています。本作をきっかけに、どちらも大きく物語が動きだす可能性があります。

山口「本作は、『名探偵コナン』や『まじっく快斗』という作品に今後大きな影響を与えていく終わり方をしています。そういった意味では、すごくおもしろい立ち位置にある作品だなと感じています。キッドがビッグジュエルをねらう目的も変わってくるかもしれないので、これからの展開にどのようにフィードバックされていくのか、僕もとても楽しみです」


――山口さんにとって、キッドを演じる楽しさというのはどのようなものでしょうか。ご自身のキャリアにおいて、どのようなキャラクターですか?

山口「演じ始めたころは、キッドのキザでクールなところに照れを感じたりすることもあって。キッドは、小学校1年生の女の子の前で自分のことを『飛び続けるのに疲れて羽を休めていた、ただの魔法使いですよ』なんて言ったりしますから(笑)。ただ一方で、キッドの正体である黒羽快斗くんというのは、ごく普通の高校生なわけです。快斗くんがいかにしてキッドになったのかということを自分なりに想像を深めていくと、『怪盗キッドというのは、キャラクター自体がエンタテインメントなんだな』と。そう思えば、キザなセリフももっとやってやろうという気持ちになりました。また最近では、コナンくんと一緒にいる時のキッドは気取ることがなくなり、“キッド然”として話す部分が減ってきているなとも感じています。こうやってキッドとコナンくんが距離を縮めていく様子も、とてもおもしろいですよね。そういったあらゆる変化を感じられるキャラクターです」

怪盗キッドの今後も気になる!
怪盗キッドの今後も気になる![c]2024 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

――長く続くシリーズとあって、物語が進み、ドラマ性が深まるごとに周囲との関係性の変化も生まれてきますね。

山口「本作ではコナンくんだけでなく、平次が一緒にいることもあるので、もっとキッドっぽく演じたほうがいいのかなとも感じたのですが、なんだか3人でいると高校生が放課後の教室で話しているような雰囲気になるなと思って。僕は3人が電車のなかで話すシーンがとても好きなんですが、彼らといる時のキッドには、友だち同士で話しているような安心感みたいなものが生まれているのかなと感じています。そうやってキッドや彼の周囲も変化していくんですよね。また物語上では半年~1年ぐらいの時間しか流れていなかったとしても、僕ら自身にとっては28年の月日が流れていて、声優としての経験も増えました。僕は、キッドを演じるうえでも“変わらない”ということにあまりこだわらなくていいのかなと思っていて。その都度、その都度で全力を尽くし、培った経験もキャラクターにフィードバックしながら、キッドを演じていけたらいいなと思っています」

取材・文/成田おり枝

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