『猿の惑星/キングダム』ウェス・ボール監督、竹内力&小松未可子&松岡禎丞の生セリフと伝統工芸“猿面”に感動「日本大好き」
SF映画の金字塔「猿の惑星」シリーズの完全新作となる『猿の惑星/キングダム』(5月10日公開)のジャパンプレミアが5月8日にTOHOシネマズ新宿で行われ、来日を果たしたウェス・ボール監督、プロデューサーのジョー・ハートウィック、日本版声優を務める竹内力、小松未可子、松岡禎丞が登壇した。
実写版『ゼルダの伝説』の監督にも抜てきされ注目を集めているボール監督がメガホンを取り、いまから300年後、支配者が人間から猿へと移り変わった世界を舞台に、<猿&人間>VS<猿>の新たなる衝突を圧倒的なスケールで描く本作。
冷酷な独裁者プロキシマス・シーザーの日本版声優を務める竹内は「子どものころに観て、衝撃を受けた第1作目から、50年以上続いている世界的なシリーズ作品に自分が携わることができて大変うれしく思っています」、重大な秘密を抱える人間ノヴァ役の小松も「自分も成長していくに従って、新しい『猿の惑星』シリーズを観てきた人生でした。参加できて光栄です」と伝説的シリーズへの参戦に感激しきり。主人公の若き猿・ノアの声を担当した松岡は、スケジュールの都合中、急遽イベント中盤から途中参加となった。駆けつけた松岡は「アイムエンタープライズの松岡禎丞です。よろしくお願いします」とボール監督とハートウィックに丁寧に自己紹介。ボール監督はグーポーズで応えていた。
ボール監督と、「アバター」シリーズを手掛けたVFX スタジオ「WETA」がタッグを組んだ本作。ボール監督自身「入り込んで観た。感動した」とこれまでのシリーズのファンで、「過去の作品をリスペクトしながら、前進することを大切にしました。初めて触れる方も、主人公の瞳を通して『猿の惑星』の世界を発見できるはず」とアピール。さらに「最高峰のVFXをご覧いただけます」と「WETA」の仕事に惚れ惚れとし、「(観客が)見るものは猿だけれど、そこに自分や人間性を見出せると思います。これは『WETA』のマジックです。このパフォーマンスキャプチャーは、実際に演技をしていただき、それをデジタルでメイクアップする方法。そのおかげで、信ぴょう性のあるキャラクター造形が生まれました」と熱っぽく語っていた。
また竹内は「威風堂々とした立ち居振る舞いに、ラスボス感を感じました」と演じるキャラクターの第一印象を口にし、「そのキャラクターを損なわないように、全身全霊で日本語を吹き込みました」とキッパリ。小松は「賢さや運動神経の良さ。眼差しから感じられる意志の強さ」がノヴァの魅力だと愛情を傾けながら話し、松岡は「とあるシーンで涙が止まらなくなった。心が張り裂けそうになるくらい痛くなりました」と共感しながら演じたことを明かしていたが、ステージでは3人が生セリフをお見舞いする場面もあった。大きなアクションや唸り声を交えながら「なんてすばらしい日だ!」と熱演した竹内をはじめ、松岡と小松も一気に会場を作品世界に引き込むような演技を披露した。ボール監督は「吹替で観たい。最高でした!本当にワクワクします。パーフェクトキャスティング。皆さんすばらしい。キャラクターたちにすべてを捧げてくださって、ありがとうございます。心から感謝しています」と声を弾ませていた。
さらに映画公開を記念して、福岡県指定伝統工芸品に指定され「災いがサル(去る)」という縁起物でもある今宿人形の本作オリジナル猿面を制作。日本版声優から、ボール監督とハートウィックにサプライズでプレゼントされた。「日本が大好き」と目尻を下げたボール監督は、「普遍的な物語でもありますので、国境を超えて響くとうれしいです。ノー、ネタバレ!」と完成作に胸を張りながら、ネタバレ禁止のお願い。会場から大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝