『陰陽師0』「光る君へ」の聖地を探訪!えさし藤原の郷で平安時代を体感してきた|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『陰陽師0』「光る君へ」の聖地を探訪!えさし藤原の郷で平安時代を体感してきた

コラム

『陰陽師0』「光る君へ」の聖地を探訪!えさし藤原の郷で平安時代を体感してきた

夢枕獏のベストセラー小説「陰陽師」シリーズを基に、「アンフェア」シリーズの佐藤嗣麻子が監督、脚本を手掛けた『陰陽師0』(公開中)。本作は、原作で描かれていなかった安倍晴明の知られざる学生時代を、晴明役の山崎賢人をはじめ、染谷将太奈緒安藤政信國村隼小林薫ら豪華俳優陣が集結して描く呪術エンタテインメントだ。

全国各地で大規模ロケが実施された本作は、佐藤監督の地元である岩手県奥州市にある歴史テーマパーク「歴史公園えさし藤原の郷」での撮影も実施された。日本で唯一、平安貴族の住宅である寝殿造を再現した建物がある「藤原の郷」では、現在放送中の大河ドラマ「光る君へ」など数多くのドラマや映画、バラエティの撮影でも使用され、いわば時代劇ロケ撮影の名所だ。今回は『陰陽師0』での撮影シーンの紹介と共に、この「藤原の郷」の魅力を紹介していこう。

晴明と博雅のバディムービーとしても仕上がっている『陰陽師0』
晴明と博雅のバディムービーとしても仕上がっている『陰陽師0』[c] 2024映画「陰陽師0」製作委員会

呪いや祟りから都を守る陰陽師の学校であり省庁でもある“陰陽寮”が政治の中心だった平安時代。呪術の天才と呼ばれる若き安倍晴明(山崎)は、陰陽師を目指すほかの学生たちとは真逆で、陰陽師になる意欲や興味がまったくない人嫌いの変わり者。ある日晴明は、貴族の源博雅(染谷)から、皇族の徽子女王(奈緒)を襲う怪奇現象の解決を頼まれ、彼と衝突しながらも共に真相を追っていくことに。

元に戻せば自由に撮影できる!時代劇の聖地ともいえる「藤原の郷」

平安時代を再現した歴史テーマパークである「歴史公園えさし藤原の郷」
平安時代を再現した歴史テーマパークである「歴史公園えさし藤原の郷」

もともと奥州藤原氏初代清衡とその父である経清が住んだ土地として知られている岩手県奥州市江刺。本作のロケ地となった「藤原の郷」は、この奥州藤原氏の興亡を題材にした渡辺謙と村上弘明主演の大河ドラマ「炎立つ」の撮影を機に、1993年に整備された歴史テーマパークであり、約20haの敷地内に大小約120棟の建物が建てられ、平安時代の様子が再現されている。

政治を司る場所である政庁
政治を司る場所である政庁

園内に入ってまず見えてくるのは、朱塗りの建物が特徴的な「政庁」。正殿を中心に左右対称に建物を配置して再現したというこの政庁は、当時は政治や重要な儀式が執り行われていた場所である。本作ではこの政庁が「陰陽寮」として撮影され、晴明が陰陽寮から逃げ出し、追ってくる学生たちに対して、羽生結弦をモチーフにした無重力アクションを披露する見せ場もここで撮影されている。

撮影が行われていないときの政庁の様子
撮影が行われていないときの政庁の様子写真は「歴史公園えさし藤原の郷」提供

政庁が陰陽寮に!一気に「陰陽師」の世界を感じる
政庁が陰陽寮に!一気に「陰陽師」の世界を感じる[c] 2024映画「陰陽師0」製作委員会

平安時代を舞台にしたロケ撮影ならば、京都や奈良にある本物の歴史建造物を使用すればよいと思うかもしれないが、撮影のために文化財である建物を作品にあわせて手を加えることはかなり難しい。しかし、“当時を再現”したテーマパークである「藤原の郷」は、「元に戻すならば好きに使っていい」とのことで、本作のように柱の色を変えて陰陽寮にするなど、自由度の高いロケ撮影の実現が可能となっているのだ。


ロケ地人気No.1!絶対観たことあるはずの「大路」

多くのエキストラも参加した、『陰陽師0』大路での撮影風景
多くのエキストラも参加した、『陰陽師0』大路での撮影風景写真は「歴史公園えさし藤原の郷」提供

政庁を南門から抜けると、まさに時代劇に登場しそうな場所である「大路」に出る。人々が歩いている姿などが容易に想像できるこの場所では、陰陽寮から逃げる晴明のもとに博雅が乗る馬が駆けるシーンなどが撮影されている。道の端は実際には舗装されているだが、撮影時には砂利などで隠して平安時代の道路を再現した。

【写真を見る】圧巻のVFXで「藤原の郷」の建物が壊されていく…!
【写真を見る】圧巻のVFXで「藤原の郷」の建物が壊されていく…![c] 2024映画「陰陽師0」製作委員会

こういう細かな部分に手を加えられるのも、ロケ地として多く採用されてきた所以。「藤原の郷」の広報担当者いわく、この「大路」がロケ地人気No.1で、特に本作のような時代劇での馬が駆けるシーンなどで多く使用されているとのこと。時代劇を観る際には、「藤原の郷」が使われていないか目を凝らして鑑賞するのも一興だろう。

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