『陰陽師0』「光る君へ」の聖地を探訪!えさし藤原の郷で平安時代を体感してきた
井戸のシーンが印象的だった「経清館」
大路を左に進み坂を登っていくと、今度は民家のような建物が見えてくる。井戸武家館を再現したという「経清館」は、地方豪族の住む一般的な館を再現したものである。本作では、村上虹郎演じる橘泰家が、井戸から落下し殺されてしまう場所として撮影に使用された。井戸は撮影のために用意されたもので、実際の「藤原の郷」には井戸がないことが少々残念ではあるが、あるものと思い込んでぜひ晴明や博雅になりきりたい場所だ。
また、坂を登った高台に位置するため「藤原の郷」全体を一望することができ、上から見ることで政庁がシンメトリーに配置されていることもよりわかる。このエリアには、ほかにも「穀倉群」や「工房」、藤原清衡が平泉進出まで江刺に居住した館を再現したという「清衡館」など多くの建物があるので、あわせて歴史を感じる建造物を間近で体験してほしい。
日本で唯一!寝殿造の建造物を再現した「伽羅御所」
坂を降りて大路を先ほどとは逆方向に進むと、日本で唯一の寝殿造の様式を再現した建造物である「伽羅御所」にたどり着く。平泉文化の最盛期を築いた奥州藤原氏三代秀衡の居館を想定して再現したこの場所では、晴明と徽子女王が初めて出会う場面や、博雅が晴明を知るきっかけとなったカエルに呪術をかけるシーン、「陰陽師」でおなじみの晴明と博雅が酒を飲むシーンなど、本作の名場面が数多く撮影されている。
「藤原の郷」にはほかにも、城の最前線となる「城柵」を再現したものや、創建当時を想定して再現した「金色堂」など数多くの建造物が建てられている。園内で撮影が行われた映画やドラマのロケ風景やエピソードを知ることができるパネルや小道具が展示されている「ロケ資料館」も併設されているので、園内をひと通り巡ったあとに訪れるとより作品への理解が深められること間違いなしだ。
また四季折々には、桜や藤、ツツジ、紫陽花、睡蓮、萩、紅葉などの花々が彩りを添え、訪れるたびに見え方が変わってくる「藤原の郷」。ぜひ『陰陽師0』の聖地を巡り、本作に思いを馳せながら、歴史テーマパークの魅力を堪能してほしい。
取材・文/編集部
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記