高山一実、『トラペジウム』“生みの親”としてカーネーション受け取り「いい出会いに感謝」と笑顔!木全翔也はキャラになりきりメガネ&白シャツで登場
乃木坂46の1期生、高山一実による同名小説をアニメーション映画化した『トラペジウム』の公開記念舞台挨拶が5月11日に新宿バルト9で開催され、高山一実、結川あさき、羊宮妃那、上田麗奈、相川遥花、木全翔也(JO1)、篠原正寛監督が登壇。翌日が「母の日」であることにちなみ、スタッフ、キャストを代表して結川から、本作の生みの親とも言える高山にカーネーションがプレゼントされた。
アイドルを目指す高校生1年生の東ゆうが、東西南北の美少女を集めながら自らの夢に向かって進む姿を描く本作。高山が小説家デビューを果たした原作は、2016年から雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載を開始。2018年に単行本化され、トップアイドルグループのメンバーとして活動してきた高山自身の経験や葛藤が込められた内容で、累計30万部を達成した。
本作の原作者であり、アニメ映画化にあたって脚本や音楽など幅広く携わった高山は、「小説を書き始めたのは8年くらい前なので、当時は必死で、こんなに大きなものにつながるとは思っていなかった。当時の自分がこんな未来を知ったらびっくりすると思います」と会場を見渡して感無量の面持ち。声優陣が命を吹き込んだキャラクターについて「皆さんがとてもかわいくてキラキラしていらっしゃって、今日はいろいろな感情がめぐっている」というが、「またこの感情をなにかの作品に昇華させたいなと思えるような、貴重な経験をさせていただいた」とさらなる創作意欲も刺激された様子だ。
「オープニングソングがすごく好き。ワクワクする。また、皆さんがすごくかわいく歌っていらっしゃるシーンも好き」と小説では表現することができなかったようなシーンにも心を動かされたという高山。木全が演じた、ゆうの計画の協力者となる工藤真司の登場シーンもオススメだそうで、「真司の登場シーンは、なんとも言えない顔をしている。そこもおもしろいので、注目していただけたらと思います」とアピール。役柄をイメージしたコーデでステージにあがった木全は、「普段JO1で木全翔也を演じている工藤真司です」と挨拶したり、カメラ好きの真司になぞらえてシャッターを切るポーズを取ってみたりと、終始キャラクターへの愛情を表現して会場を盛り上げながら、「真司は一見、なよなよしていて頼りない感じがすると思うんですが、実はすごくやさしくて頼りになる男。成長している真司を見て、僕も涙目になりました」と語っていた。
主人公の東ゆうを演じた結川は、「ゆうは自分の想いがすごく強いので、身勝手に見えたり、周りのことが見えなくなってしまったり、少し嫌な子に見える部分があるかもしれない」と分析。「でもゆうがアイドルを目指す気持ちは本物で、それだけがゆうのなかにずっとある。アイドルになりたいという想いを叶えるためだけに、行動している。それだけは映画のはじめから最後までずっと変わらないので、どうかゆうを嫌いにならないで」と訴えて会場を笑わせながら、「頑張っているんだよな、本気なんだよなと、温かい目で応援するように観ていただけたらうれしいです」と呼びかけていた。
また「母の日」ちなみ、結川から高山へカーネーションの花束がプレゼントされる場面もあった。結川は「『トラペジウム』の母である高山一実先生。私たち、そしてここにいる皆さん。そして『トラペジウム』を愛してくれている皆さんと、『トラペジウム』を出会わせてくれてありがとうございます。私は本当に、ゆうに出会えてよかったです」と想いをあふれさせて、感涙。高山は「母なんて申し訳ないくらい、私は土台の土台しか作っていない状態で。私はキャラクターへの想いを、小説には書ききれないくらいだった。皆さんがそれぞれキャラクターのことを思っていただけるだけでうれしいのに、『このキャラクターってこうだと思うんです』と言ってくださることが、『ええ!なんでわかってくれるの!私もそういうキャラクターにしたいと思っていた』ということばかりだった」と熱弁し、「心やさしい皆さんにお集まりいただいた。また声優さんというのは、プロフェッショナルなご職業なんだなと本当に感動して。いい出会いに感謝です」と声優陣への賛辞が止まらなかった。
最後に高山は「私は人と人のつながりが好きなんですが、言葉にするのは難しいなと思っていて。そんなことを思いながら小説を書きました」とコメント。「コミュニケーションの難しさや、人間のぶつかり合い、学生時代ってこんな感じだったよなといろいろな想いがこもっている作品です。少しでも皆さんの生活にスパイスを与えられたらうれしいです」と願いを込め、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/成田おり枝