愛娘がヌードも辞さず熱演!ダリオ・アルジェント監督『トラウマ』初Blu-rayは4Kレストア&新録吹替の保存盤

コラム

愛娘がヌードも辞さず熱演!ダリオ・アルジェント監督『トラウマ』初Blu-rayは4Kレストア&新録吹替の保存盤

ホラーファン垂涎の傑作や隠れた秀作を最新のマスターと特別仕様で蘇らせて好評を博している「ホラー・マニアックス」シリーズ。その第14期の第3弾として3月6日にリリースされたのが、ダリオ・アルジェント監督が1993年に手掛けた『トラウマ 鮮血の叫び』だ。4Kレストア版マスターと新録日本語吹替版が収録された本作初のBlu-rayは、長年待ち望んだファンも納得の保存盤。そこで本稿では、本Blu-rayの注目ポイントを紹介していこう。

【写真を見る】当時17歳!監督の愛娘アーシア・アルジェントがヌードも辞さない熱演で、鮮烈な主演デビューを飾った
【写真を見る】当時17歳!監督の愛娘アーシア・アルジェントがヌードも辞さない熱演で、鮮烈な主演デビューを飾ったTrauma [c] 1993 Overseas Filmgroup. All Rights Reserved.

本作は、“ジャッロ映画”の巨匠として1970年から現在に至るまでホラー映画界を牽引しつづけるアルジェント監督が愛娘のアーシア・アルジェントをヒロインに抜擢し、アメリカ資本&全編アメリカロケに挑んだ意欲作。当時17歳だったアーシアはこれが映画初主演。ヌードも辞さない熱演を披露し、女優として大きな飛躍を遂げるきっかけとなった一本で、公開から30年が経った現在もカルト的人気を博している。

アーシア・アルジェントの美しさが4Kレストアで蘇る!

物語はグラフィック・デザイナーのデヴィッド(クリストファー・ライデル)が、川に身を投げようとしていた少女オーラ(アーシア・アルジェント)を助けることから始まる。拒食症の治療のために入院していた精神病院から脱走していた彼女は自宅へと連れ戻されるのだが、その晩、オーラの母アドリアナ(パイパー・ローリー)が開いた降霊会に怨霊が降臨する。

30年経ったいまでもホラーファンに語り継がれる、アルジェント中期の人気作
30年経ったいまでもホラーファンに語り継がれる、アルジェント中期の人気作Trauma [c] 1993 Overseas Filmgroup. All Rights Reserved.

憑依されたアドリアナは錯乱状態のまま豪雨のなかへ飛び出していき、後を追いかけた父ステファン(ドミニク・セラン)と共に何者かに首を切断されてしまう。目の前で両親が惨殺されるのを目撃したオーラは、行き場をなくし、デヴィッドに協力を求める。そしてオーラと凄惨な殺人を重ねる首狩り魔の謎を追いはじめたデヴィッドは、孤独な少女とその家族をめぐる奇妙な秘密を知ることになるのだ。

今回リリースされたBlu-rayに収録されているのは、劇場公開時の削除シーンを復元し、従来よりも約4分長くなった「完全版」。実際に再生してみると、これまでリリースされたVHS版やDVD版とは比べ物にならないほど鮮明な画質に驚かされる。降霊会のあとに待ち受ける凄まじい雷雨のシーンやナイトシーンの数々。登場人物たちの衣装や鬱蒼とした森の草木など、コントラストを持たせながら表現された“黒”が作品世界を引き締めていく。


作品全体に流れるアルジェント映画特有の怪奇な雰囲気が、4Kレストアでさらに極まっている
作品全体に流れるアルジェント映画特有の怪奇な雰囲気が、4Kレストアでさらに極まっているTrauma [c] 1993 Overseas Filmgroup. All Rights Reserved.

また、“4Kレストア”と聞くとイメージしがちな、やたらキリッと硬質な画面ではなく、フィルム特有のグレインを的確に残し、公開当時のルックを活かした雰囲気のあるマスタリングも魅力的だ。アーシアの美しさもより一層際立っており、過去に本作を観たことがあるという人も、まるで初めて観るかのような新鮮な気持ちで、帝王アルジェントの仕掛ける怪奇世界にのめり込むことができるだろう。

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