吉田修一原作&江口のりこ主演『愛に乱暴』8月に公開決定!予告編は不穏さがにじむ
『悪人』(10)、『怒り』(16)などの作品で知られる吉田修一の同名小説を江口のりこ主演で実写化した映画『愛に乱暴』が8月30日(金)より公開されることが決定。本ビジュアルと予告編も解禁された。
本作は愛のエゴと献身、孤独と欲望の果ての暴走を描くヒューマンサスペンス。夫の実家の敷地内に建つ離れで暮らす桃子(江口)は、義母から受ける微量のストレスや、夫の無関心を振り払うように、センスのある装い、手の込んだ献立などいわゆる“丁寧な暮らし”に勤しみ毎日を充実させていた。そんな桃子の周囲で不穏な出来事が起こり始める。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、失踪した愛猫、匿名の人物がつづる不気味な不倫アカウント、そして夫からの青天の霹靂とも言える申し出など、桃子の平穏な日常が少しずつ乱れ始める。
監督を務めるのは『おじいちゃん、死んじゃったって。』(17)、『さんかく窓の外側は夜』(21)の森ガキ侑大。主演は唯一無二の存在感とユニークで高い演技力を持つ江口。共演には小泉孝太郎、風吹ジュン、馬場ふみから個性豊かな俳優陣が名を連ね、江口扮する主人公を追い詰めていく。また本作は歴史あるチェコのカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭(6月28日~7月6日開催)のコンペティション部門への出品も決定している。
このたび解禁となった本ビジュアルは、桃子が部屋の畳に頭をつけ、床下に耳をそばだてているような、深い思惑を秘めた表情の江口を大胆な構図で捉えたデザイン。「女は床下に愛を隠す」という謎めいたコピーと縦に大きくあしらわれたタイトルロゴと相まって、彼女の心の深淵を垣間見るようなインパクトの強いビジュアルとなっている。
さらにあわせて公開された予告編では、桃子のしあわせな日常を襲う不穏な出来事の数々が描かれる。近隣のゴミ捨て場で相次ぐ不審火、愛猫のぴーちゃんの失踪、怪しい隣人、義母との認識の食い違い、夫からの浮気の告白など…。物語を紐解くキーワードとなるシーンが散りばめられた予告編の後半では、なに者かに追われ疾走する桃子、猫の鳴き声に導かれ床下に潜る桃子など、非日常な世界に足を踏み入れてしまった主人公が、泥だらけで「やめてください!私を変人扱いするのは!」と叫ぶ様子が切り取られ、はたしておかしいのは桃子なのか周囲なのか、サスペンスフルな物語に強く惹きつけられる予告編となっている。
また7月5日(金)から発売予定のムビチケ前売券(カード)には、映画の重要なキーアイテムとなる“黄色い小花“をモチーフとしたエコバッグが先着でついてくる。サブリミナルに映画を紐解くヒントとなっているとのこと。
“丁寧な暮らし”を続けていた主婦の日常が不穏な出来事に侵食されていく姿をサスペンスフルに描いた本作。主人公の桃子を体当たりで挑む江口の熱演をぜひスクリーンで堪能してほしい。
文/スズキヒロシ