『ブルー きみは大丈夫』吹替えを務めた宮田俊哉と稲垣来泉にインタビュー。「『自分もきっと大丈夫!』と前を向ける作品」
「『好きなことを好き』と発信してきたことが、いまにつながっています」(宮田)
――ブルー以外にも、テディベアのおじいちゃんや、たびたび弾ける石鹸バブルなど、個性豊かな空想の友達がたくさん出てきます。お2人は空想や妄想はお好きですか?
稲垣「小さいころ、『プリキュア』に夢中になっていて。その時はイマジナリー戦隊グループをつくり、マットを壁にたてかけて、ひとりで戦っていました」
――『映画 プリキュアミラクルリープ みんなとの不思議な1日』で声優もされていましたね!
稲垣「はい。しかも初めての声優さんのお仕事が『プリキュア』だったので、うれしかったです」
宮田「僕は“イマジナリー・ドッグ”を2匹飼っています。コロナ禍の時に犬を飼いたいモードが加速しちゃって、心の中で柴犬2匹を飼うことに。アニメを観ながらエアで撫でたりしています(笑)」
稲垣「わかります!私もラブラドール・レトリバーやボーダー・コリーを想像して、エア散歩やエア添い寝とかしています」
宮田「なんだか僕ら思考が同じだね(笑)」
――そう言えば、稲垣さんもアニメや漫画がお好きなんですよね。
稲垣「はい。今クールだと『転生したらスライムだった件』や『僕のヒーローアカデミア』の新シリーズ、『怪獣8号』、あとは『WIND BREAKER』と…。私、アニメのことを話すと止まらないんです!この間、過去に観たアニメを数えてみたら280作品以上ありました」
宮田「将来有望だな(笑)。僕は大好きなアニメを自分の手で作ることが夢で、そのためには原作が必要だと思っていて。だから、この3年間はライトノベル『境界のメロディ』の執筆に集中していました。それもあって、最近は1クール15作品ほどしか観れていなくて。いや~、もし僕のアニメがいつかできて、来泉ちゃんが『おもしろかった』って、どこかで言ってくれたら…なんて想像したら、ワクワクしてきたな」
――そのアニメに稲垣さんが声優として参加するとか…。
稲垣「ぜひ!って思います!!」
宮田「ギャラ高そうじゃないですか(笑)」
稲垣「 (笑)」
宮田「もし『日本のアニメ』という教科書があったら、そこに宮田俊哉って一行でいいから書いてもらいたいです。“日本で一番売れたアニメ”って書かれたら最高ですが、“忘れ去られたこんなアニメ”でもいい。とにかく心に残るアニメ作りを目指したいです」
――宮田さんは声優や作家など、得意なことや好きなことに紐づいたお仕事もたくさんされて、活躍の場をますます広げられています。本業のアイドルと、それ以外のお仕事、それぞれどのような意識で取り組まれていますか?
宮田「歌って踊るアイドルのお仕事も、アニメ関連のお仕事も、どちらも好きです。なにをやるにも変わらず全力で、エンジョイする。それだけです。最初はスタッフさんから、これは言っちゃダメ、あれはやっちゃダメ、イメージが崩れる、とか言われたこともありましたが、『好きなことを好き』って発信することは決してダメなことではないし、『イメージってなに?』って感じていました。だから、心の中で『言っちゃえ~』みたいなノリで突き進んできた結果、いまにつながっていると思います」
――貫く姿勢がカッコいいです。
宮田「あとで怒られましたけど(笑)」
稲垣「尊敬します。折れない心は大事ですね」
――映画にちなみ、ビーとブルーのような、人生を変えた“出会い”を教えてください。
稲垣「去年4月に事務所を移籍して、自分の中で色々な変化があり、新しい世界をもっともっと見てみたいという欲も出てきました。いまのマネージャーさんとの出会いは、必要不可欠だったのかなと思います」
宮田「僕は間違いなくキスマイのメンバーですが、今回の映画に絡めますと、ビーのお父さん役で出演されている浪川大輔さん。僕が(『劇場版BEM~BECOME HUMAN~』で)初めて声優のお仕事をした時、浪川さんのスクールでレッスンを受けさせていただき、そこで『続けたほうがいいよ』って背中を押してもらったんです。以降、“師匠”の浪川さんと同じ作品に出ることを目標にしてきたので、今回、目標が一つ達成されました」
――今後声優業でチャレンジしてみたいキャラクターはありますか?
稲垣「すっかりビーの虜になり、ビーの子どものころの声を出すのが楽しかったので、幼い女の子の声をもう一度挑戦してみたいです」
宮田「僕は子どものころに夢中になっていた作品に参加したいです。『ポケモン』や、海外の作品だったら『ミュータント・タートルズ』が楽しそう。『俺、タートルズの一員なんだぜ』って、あのころの僕に自慢したい。もちろん、イメージカラーが紫のドナテロで(笑)」
取材・文=本山由樹子