菅田将暉主演&黒沢清監督サスペンススリラー『Cloud クラウド』新キャストに松重豊、赤堀雅秋ら
菅田将暉が主演を務め、黒沢清が監督と脚本を手がける映画『Cloud クラウド』(9月27日公開)。このたび、8名の実力派バイプレイヤーの出演が解禁された。
本作は、顔の見えない社会で拡散する、憎悪の連鎖から生まれる“集団狂気”を描いたサスペンス・スリラー。「誰かに狙われている?」転売で稼ぐ吉井の仕事が軌道に乗り出した矢先、周囲で不審な出来事が重なり、これまでの「日常」が壊されていく。「ラーテル」というハンドルネームを使い、転売で稼ぐ主人公・吉井良介を菅田将暉、吉井の謎多き恋人、秋子役を古川琴音、吉井に雇われたバイト青年、佐野役を奥平大兼、ネットカフェで生活する男、三宅役を岡山天音、吉井が働く工場の社長、滝本役を荒川良々、そして吉井を転売業に誘う先輩、村岡役を窪田正孝が演じている。
このたび解禁された新キャストとして松重豊の出演が明らかに。2023年放送の大河ドラマ「どうする家康」や5月に公開された映画『青春18×2 君へと続く道』(公開中)のほか、ラジオのパーソナリティーやエッセイの執筆など様々なフィールドで活躍、日本を代表する名バイプレイヤーの松重。彼は2021年にデジタルリマスター版が公開された黒沢清監督作の『地獄の警備員』(92)で映画初主演。警備員の富士丸を演じ、圧倒的な存在感で業界に名を響かせた。その後黒沢組には『カリスマ』(00)、『リアル 完全なる首長竜の日』(13)に出演。今回の『Cloud クラウド』で11年ぶりに黒沢作品に出演する。
さらに今回の作品には、様々な分野で活躍する実力派バイプレイヤーが勢揃い。いまにも倒産しそうな町工場の社長、殿山宗一役に、劇作家の赤堀雅秋。演劇以外でも『葛城事件』(16)など映画監督としても作品を発表し、ドラマ「不適切にもほどがある!」などに出演。役者としても多方面で活躍しており、黒沢組にはドラマ「贖罪」、『岸辺の旅』(15)で出演。その殿山の妻、千鶴役を「どうする家康」をはじめ、多くの映画やドラマ作品に出演し黒沢組初参加の山田真歩が演じる。
また、岡山演じる三宅が出会う謎の男、矢部役を黒沢組常連で、黒沢監督が今年発表した配信作品『Chime』で主演を務めた吉岡睦雄が、人生を見失った男、井上役を『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(22)での好演も記憶に新しい黒沢組初参加の三河悠冴、吉井を不審視する警察官、北条役を、硬軟織り交ぜた演技で数々の映画、ドラマ作品に出演、満を持して黒沢組初参加となる矢柴俊博、下町の模型店の店主、室田役を、北野作品に多数出演、黒沢組では『回路』(01)、『アカルイミライ』(02)に出演した森下能幸、そして猟師役を、演出家としても活躍し、黒沢組には『岸辺の旅』、『予兆 散歩する侵略者 劇場版』(17)に出演した千葉哲也が演じる。
実力派キャストが不穏な空気の中で織りなす“狂気”の世界をぜひ劇場で体感してほしい。
文/スズキヒロシ