『バッドボーイズ RIDE OR DIE』が北米No. 1の好発進でさらなる続編の可能性も!?「LOTR」3部作がイベント上映で存在感|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
『バッドボーイズ RIDE OR DIE』が北米No. 1の好発進でさらなる続編の可能性も!?「LOTR」3部作がイベント上映で存在感

コラム

『バッドボーイズ RIDE OR DIE』が北米No. 1の好発進でさらなる続編の可能性も!?「LOTR」3部作がイベント上映で存在感

先週末(6月7日から6月9日)の北米興収ランキングを紹介する前に、現地時間6月12日に発表されたビッグニュースに触れておきたい。ソニー・ピクチャーズが、北米映画館チェーンの「アラモ・ドラフトハウス・シネマ」を買収し、75年ぶりにハリウッドメジャースタジオとして直営の映画館を持つことになるというニュースだ。

かつて直営の劇場を所有していたスタジオに対して、独禁法に抵触するということなどから興行部門の分離が命じられた“パラマウント判決”。しかし2020年に、これが時代にそぐわないとして撤廃されたことで、今回の地殻変動が起きることに。どうやらソニーは体験型エンタテインメントとしての映画を強化していく見通しのようで、これが現在続いている北米の映画興行の閑散状態や配信サービスとの共存という課題、ひいては映画文化そのものにどのような影響をもたらしていくのかは注視しておきたいところである。

【写真を見る】最強の刑事コンビが4年ぶりに復活!亡き上司の汚名を晴らすべく戦いに挑む
【写真を見る】最強の刑事コンビが4年ぶりに復活!亡き上司の汚名を晴らすべく戦いに挑む[c]Everett Collection/AFLO

さて、そんなニュース直前の北米興収ランキングを制したのが、まさにソニー・ピクチャーズ作品というのは興味深い。1995年に第1作が公開され、以後ゆったりとしたペースで続編が製作されてきた「バッドボーイズ」シリーズの第4弾『バッドボーイズ RIDE OR DIE』(6月21日日本公開)が初登場No. 1を獲得。ウィル・スミスにとってはアカデミー賞授賞式でのあの事件以来、すなわちオスカー俳優になってから初めて制作された主演映画ということになるわけだ(念のため、『自由への道』は同授賞式前に撮影されている)。


3885館で公開され、初日から3日間の興収は5652万ドル。これはコロナ禍に突入する直前に公開されて最終興収2億ドルを突破した前作『バッドボーイズ フォー・ライフ』(20)のオープニング興収6250万ドルには及ばないものの、いまが例年とは程遠い閑散期であることを踏まえれば大健闘といえよう。海外興収もあわせた全世界興収は1億2500万ドルを突破し、1億ドルの製作費も額面上では回収済み。

第5弾の製作は今作の興行成績次第とのこと!
第5弾の製作は今作の興行成績次第とのこと![c]Everett Collection/AFLO

批評集積サイト「ロッテン・トマト」によれば批評家からの評価が伸び悩んでいるのはいつものことであるが、観客からの好意的評価の割合は97%と非常に高い。すでにジェリー・ブラッカイマーら製作陣はシリーズ第5作の検討を進めていると報じられているが、いまの感じならばその実現の可能性も高いのではないだろうか。いずれにせよ、昨今アクション映画の人気シリーズの長尺化が進むなかで(むしろこれの2作目がそのきっかけを作ったようにも思えるが)、115分という観やすい上映時間なのもとても良い。

トップテン圏内の新作では他に、M.ナイト・シャマランの娘イシャナ・ナイト・シャマランの長編監督デビュー作『ザ・ウォッチャーズ』(6月21日日本公開)が4位にランクイン。初日から3日間の興収は700万ドルと、父の近作『ノック 終末の訪問者』(23)のオープニング成績のほぼ半分にとどまっている。また、週末にかけて日替わりでイベント上映がされた「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズが、1日だけの上映でありながらトップテン入りを果たしている。

「LOTR」3部作のイベント上映は3週連続で行われる
「LOTR」3部作のイベント上映は3週連続で行われる[c]Everett Collection/AFLO

土曜日に上映された『ロード・オブ・ザ・リング』(01)は興収245万ドル、日曜日の『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』(02)は興収190万ドルで8位と9位に。『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(03)は月曜上映のため週末ランキングの圏外ではあるが、興収177万ドルでデイリー2位にランクイン。ドラマシリーズや新作映画の決定などここ最近話題が絶えない「LOTR」シリーズが、改めてその人気の高さを示したようだ。

文/久保田 和馬

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