『ディア・ファミリー』が大泉洋主演作13年ぶりの快挙!ゲスト出演の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』とワンツーを達成
6月14日から6月16日までの全国映画動員ランキングが発表。『君の膵臓をたべたい』(17)の月川翔監督が大泉洋を主演に迎えた『ディア・ファミリー』(公開中)が、初日から3日間で観客動員18万5000人、興行収入2億5600万円を記録して初登場No. 1を飾った。
“エンターテイナー”大泉洋が奇跡の実話を描く感動作に挑む!
ノンフィクション作家の清武英利の著書「アトムの心臓『ディア・ファミリー』22年間の記録」を原作に、これまで世界で17万人の命を救ってきた“命のカテーテル”の誕生に隠された奇跡の実話を描いた本作。1970年代、先天的な心臓疾患で余命10年を宣告された娘のために、医療の知識がないながら人工心臓の開発に向けて立ち上がる町工場経営者の父と、彼を支える家族の物語が描かれていく。
映画やテレビドラマ、バラエティはもちろんのこと、音楽番組の司会や歌手活動など、ありとあらゆる分野で大活躍を見せる大泉。いまや国民的人気を獲得している大泉だが、意外なことに主演映画が動員ランキングで1位を飾るのは『探偵はBARにいる』(11)以来、実に13年ぶりのこと。メインキャストを務めた作品では『清洲会議』(13)や『トワイライト ささらさや』(14)が1位を獲得しているが、それを含めても実に10年ぶりとなる。
とはいえその10年間での映画出演作は、アニメやナレーション、洋画の吹替えなども含めればおよそ30本で、その半数以上が主演作。公開週のランキングでは“相手が悪かった”パターンで1位を逃すことがほとんどで、例えば文句なしのオープニング週末を飾った『新解釈・三国志』(20)の時には、相手が公開9週目とはいえ『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20)。最終的に同作は興収40億を突破し、ほかに近作では『月の満ち欠け』(22)が興収13億円、『こんにちは、母さん』(23)が興収11億円と、興行的な安定感と信頼は増していることがわかる。
そうした“観客を呼べる俳優”としての地位を裏付けているのは、先述したようなマルチな活躍ぶりからもわかるように、現代の日本の俳優のなかでは珍しいエンターテイナーとしての存在感であろう。作品の宣伝のために出演したバラエティ番組や、舞台挨拶で見せる惹きの強さ。それはもちろん北海道時代からのバラエティで培われてきた能力であり、少なくとも俳優独自の言葉と裏表のないキャラクターで作品に込めた想いや魅力が語られることは映画宣伝において重宝されるべきものであろう。それが今作のような感動作であれば、なおさらギャップを生み、観客の興味を駆り立てることにも繋がるはずだ。
また、ゲストとして声の出演を果たした『ドラえもん のび太の宝島』(18)は、シリーズ最高の動員と興収を記録。ちょうど今週2位にランクインしている『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』(公開中)でも、大泉は地元、北海道の刑事役としてゲスト出演。同作が「名探偵コナン」シリーズの興収と動員の新記録を更新していることは既報の通りであり、これらが大泉の効果かどうかはともかくとして、彼が“持ってる”俳優であることは間違いない。それもまたエンターテイナーに必要な資質のひとつといえるだろう。
ちなみに大泉の関連作品が動員ランキングでワンツーを飾ったのは特別出演だった『鋼の錬金術師』(17)が1位で、同日公開の代表シリーズ『探偵はBARにいる3』(17)が2位だった2017年12月1週目以来である。