草笛光子、唐沢寿明&真矢ミキのエスコートで華麗に登場!主演映画 『九十歳。何がめでたい』舞台挨拶で「90歳をよろしく」と笑顔
草笛光子主演映画『九十歳。何がめでたい』(6月21日公開)の祝公開前日祭舞台挨拶が、6月20日に丸の内ピカデリーにて開催され、草笛、唐沢寿明、真矢ミキ、藤間爽子、LiLiCo、宮野真守、木村カエラ、前田哲監督が登壇した。
2023年に100歳を迎えた直木賞作家、佐藤愛子のベストセラーエッセイ集を実写化。原作は、歯に衣着せぬ物言いと独特のユーモアで、「人生100年時代」を生きる老若男女に多くの共感を得て、シリーズ累計発行部数は178万部を超えている。本作は、90歳の佐藤を90歳の草笛が演じていることでも話題だ。
唐沢と真矢にエスコートされてステージに登場した草笛にはあふれんばかりの拍手が贈られた。「90歳の映画主演は初。すばらしいこと!」との唐沢のコメントに「そうなの?」ととぼけた発言で笑わせた草笛。「何度も言ってるじゃないですか!」と返す唐沢に、「同い年でしょ?」と茶目っ気たっぷりに返すなど、コントのようなテンポの良いやりとりで笑いを誘う。劇中での草笛のセリフまわしに触れ、「すごかったでしょ?」と観客に問いかけた唐沢は、劇中でのマシンガントークや、この日の草笛の反応のすばやさに「本当にすごい!」と感心しきりだった。
孫の桃子を演じた藤間は「草笛さんがチャーミングでかっこよくて、すごくすてき。近くでお芝居を見させてもらえて、刺激をいただきました。若者代表として、若い人たちにもたくさん観てほしいと思います」と若者に向けてアピール。唐沢演じる編集者の吉川の上司、倉田役の宮野は「後輩だけどいまは上司という役。唐沢さんの上司役なんて務まるかなと思ったけれど、のびのびと演じさせていただきました」と撮影中は何気ない話をたくさんして、ビビり倒していた気持ちを消してくれたという唐沢に感謝し、「生きるってすばらしいという気持ちにさせてくれるすてきな映画です」とおすすめしていた。
「どの登場人物にも個性が出ている」と切りだしたLiLiCoは、「どの立場で観てもなにかしら感じる作品。歳を重ねるのっていいなと思ったし、早く90歳になりたいと思いました」と笑顔。99分という本作の上映時間についても「ちょうどいい!私の連載でも、(担当する)番組でもこの作品、紹介したいと思います!」と出演者としてはもちろん、映画コメンテーターとしても本作がすっかり気に入っている様子だった。
「いろいろな奇跡が重なって完成できた作品」と胸を張った前田監督は、「90歳の役を90歳の草笛さんが演じきってくださった。吹き替えなしです。劇中に登場するのはAIではありません」とニヤリ。90歳で映画の撮影を乗り切った草笛に感謝した前田監督は「たまに寝坊することもあったけれど(笑)」とハプニングを暴露しつつも満面の笑みで「それでも順調に撮影できました。奇跡です!」とジョーク混じりで何度も感謝の言葉を伝えていた。
イベントには主題歌「チーズ」を担当した木村カエラがサプライズで登場し、草笛に花束が贈られる場面も。「佐藤愛子先生の潔い生き方、スカッと晴れたような世界観、勢いがかっこいいって感じて。軽快な音楽にしたいと思っていました。情報が多いこの世の中で、シンプルに生きる方法、心が素直であっていいと教えてくれるすばらしい映画で大好きです!お友達に“観たほうがいい!”って伝えてください」とキュートに呼びかけていた。
さらに佐藤からのメッセージも代読される場面も。いつか90歳と100歳の“のんびり”の違いについて語りたいとのお誘いに「今日、ここに来てくださったらおもしろかったはず。(メッセージは)しがみつきたいくらいうれしい!」と感激の草笛は、「90歳になりました。なにがめでたいかわからないけれど、90歳(の私)をよろしく!」と元気よく語り、大きな拍手を浴びていた。
取材・文/タナカシノブ