北米は2週連続で『インサイド・ヘッド2』一色に染まる!史上7本目の“2週目末1億ドル超え”達成で、2024年の暫定No. 1ヒットに
前週、閑散期を打ち破る華々しいスタートダッシュを飾ったディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド2』(8月1日日本公開)が、またもや2位以下に大差をつける圧勝で2週連続Vを勝ち取った先週末(6月21日から6月23日)の北米興収ランキング。様々な記録を打ち立てることになったこの2週目末の成績から整理していきたい。
公開2週目の週末3日間の興収は1億121万ドル。これは1億5420万ドルを記録したオープニング興収との対比で65.6%と、およそ3分の2の数字。そもそも2週目の週末に1億ドル以上の興収を叩きだした作品はこれまで6本しかなく、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)と「アベンジャーズ」シリーズの1、3、4作目、『ブラックパンサー』(18)、そして『ジュラシック・ワールド』(15)のみ。当然アニメーション映画では史上初めての快挙となる。
これまで初週末に1億5000万ドルを突破した作品は本作以外に27本あるのだが、初動が大きい作品こそ2週目の下落率も大きくなりがち。それは一刻も早く作品を観たい熱狂的なファンが初週末に殺到すること、また特に近年では鑑賞前にSNSでネタバレを踏むことを回避したいという心理が働くことなどがおもな要因となっており、例えば極端なところでは「ハリー・ポッター」シリーズの最終作は初週末と比較すると2週目末の興収はわずか28%であった。
そうしたこともあって、その27本中、実に22本が2週目末に初動の半分以下の成績しかあげられていない。残り5作品はかろうじて50%以上をキープしているとはいえ、『ジュラシック・ワールド』が51%、『美女と野獣』(17)が51.7%とギリギリで、『ブラックパンサー』でも55.3%。ちょうど1年前に大ヒットした『バービー』(23)が57.4%と比較的高い維持率で、『フォースの覚醒』だけが60%超えの60.2%の成績をあげている。今回の『インサイド・ヘッド2』の65.6%がいかに凄いかが一目瞭然であろう。
また、公開8日目の金曜日の段階で北米での累計興収は2億8500万ドルを突破し、『デューン 砂の惑星PART2』(日本公開中)を抜き去り2024年公開作のナンバーワンヒット作へと上り詰めると、公開10日目の日曜日の段階で累計興収3億5000万ドルを突破。その翌日には前作の最終興収をあっさりと超え、すでに公開13日目の水曜日に4億ドルに到達。公開前の予測をはるかに上回る勢いなだけに、現時点ではどこまでその数字を伸ばすのか、まったく読めないところだ。
ちなみにアニメーション映画でこれまで北米興収5億ドルを超えているのは『インクレディブル・ファミリー』(18)と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)の2本だけ。史上3本目の快挙達成はほぼ確実であり、これらを抜き去ってアニメ映画歴代1位のヒット作となる可能性も非常に高い。さらに全世界興収でも『デューン2』を抜き去って2024年の暫定ナンバーワンに。すでにアニメ映画史上11本目の10億ドル突破へのカウントダウンは始まっている。
文/久保田 和馬