『インサイド・ヘッド2』が北米V3達成&全世界興収11億ドル突破!平日公開のライバル『怪盗グルーのミニオン超変身』の速報値は?
先週末(6月28日から6月30日)の北米興収ランキングは、またもやディズニー&ピクサーの『インサイド・ヘッド2』(8月1日日本公開)が首位をキープ。週末3日間の興収は、前週比56.8%の5752万ドル。さすがに落ち着いてきたようにも見えるが、この成績は公開3週目の週末興収としては歴代8位。まだまだその勢いは止まりそうにもない。
週末の段階で北米累計興収4億6942万ドルとなった『インサイド・ヘッド2』。その時点では北米歴代興収ランキングの24位だったが、7月に入ってからの平日も順調に興収を積み重ね、『アナと雪の女王2』(19)と『ファインディング・ドリー』(16)をあっさり抜き去ることに成功。独立記念日の祝日である7月4日には、ついにアニメ映画史上3本目の北米累計興収5億ドルを突破している(公開21日目での5億ドル到達は、『バービー』を上回る歴代8位の速さだ)。
さらに全世界興収でもすでに11億ドルを突破しており、『トイ・ストーリー3』(10)と『トイ・ストーリー4』(19)を超えてピクサー作品の歴代2位まで浮上。北米歴代興収の上位にいるアニメ映画である『インクレディブル・ファミリー』(18)と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(23)はもちろんのこと、『アナと雪の女王2』が持つアニメ映画の全世界興収記録の14億5368万ドルも少しずつ視界に入ってきたのではないだろうか。
この勢いのまま、独立記念日前日の水曜日公開となった最大のライバル『怪盗グルーのミニオン超変身』(7月19日日本公開)を迎え撃つ格好となった『インサイド・ヘッド2』。現地メディアの速報によれば『怪盗グルー〜』は初日の7月3日と7月4日の2日間で興収4760万ドルを稼ぎだし、週末を含めた予測では同1億2000万ドルに到達する見込みとのこと。さすがに4週連続Vの達成は難しそうだが、7月中は両者のデッドヒートを楽しめそうだ。
さて、他の新作では「クワイエット・プレイス」シリーズの最新作『クワイエット・プレイス:DAY 1』(日本公開中)が2位にランクイン。公開初日のデイリー興収では『インサイド・ヘッド2』を上回った同作は、週末3日間で興収5220万ドルと大健闘。週末興収ランキングで2作品が5000万ドル以上の成績を叩きだしたのは、昨年の『バービー』(23)と『オッペンハイマー』(23)の封切り週末以来およそ1年ぶりとなる。
その善戦ぶりもさることながら、驚くべきは、一応まだ完全には抜けだしきれていない閑散期間でありながらもこの『〜DAY1』が「クワイエット・プレイス」シリーズ最高のオープニング興収を記録したことであろう。もっとも、1作目は公開後からじわじわと口コミで広まりサプライズヒットを記録しており、2作目はコロナ禍の影響が色濃く残っていたタイミングでの公開だったということも理由のひとつ。それでも全世界興収はすでに1億ドルを超えており、シリーズ人気の高さを証明する結果となった。
また、3位にはケビン・コスナーが『ワイルド・レンジ 最後の銃撃』(03)以来21年ぶりにメガホンをとった西部劇『Horizon: an American Saga -Chapter1』がランクイン。3時間を超える長尺ながら、3日間興収1105万ドルとまずまず。作品評価は少々伸び悩んでいるようだが、8月中旬には『Chapter2』の公開が控えており、すでに3作目の製作も予定されているのだとか。
そして前週に5館での限定公開で華々しい館アベレージを叩きだしたヨルゴス・ランティモス監督の新作『憐れみの3章』(9月27日日本公開)は、上映館数を490まで増やしてトップテン入りを果たしている。
文/久保田 和馬