「(君も)狙われている」の意味とは?『Cloud クラウド』菅田将暉が銃を構えるポスタービジュアル
黒沢清監督が、主演に菅田将暉を迎えた映画『Cloud クラウド』(9月27日公開)。このたび、本作より本ポスタービジュアルおよび場面写真が解禁となった。
本作は、『スパイの妻』(20)で、第77回ベネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した黒沢監督の最新作で、日常と隣り合わせの恐怖を描いたサスペンススリラー。転売で稼ぐ主人公、吉井良介を菅田将暉、吉井の謎多き恋人、秋子役を古川琴音、吉井に雇われたバイト青年の佐野役を奥平大兼、ネットカフェで生活する男、三宅役を岡山天音、吉井が働く工場の社長、滝本役を荒川良々、そして吉井を転売業に誘う先輩の村岡役を窪田正孝が演じている。“転売ヤー”として真面目に働く主人公の吉井が知らず知らずのうちにバラまいた憎悪の粒はネット社会の闇を吸って成長し、どす黒い“集団狂気”へとエスカレートしていく。誹謗中傷、フェイクニュース――悪意のスパイラルによってネット社会に拡がった憎悪は、実体をもった不特定多数の集団へと姿を変え、暴走をはじめる。やがて彼らがはじめた“狩りゲーム”の標的となった吉井の「日常」は、急速に破壊されていくのだった。
今回解禁されたのは菅田が「何か」に向かって銃をむける本ポスタービジュアル。その横には「(君も)狙われている」と書かれており、狙われているのは自分だけではないと伝える意味深なビジュアルとなっている。さらに「“気がつけば標的”匿名の集団による“狩りゲーム”がはじまる――」というコピーには、知らず知らずのうちに、自分が狙われる側の人間になっていた怖さとともに、「見えない敵」の存在も感じさせられる。
あわせて場面写真も解禁。「狙われている」ことに気づきはじめ警戒する吉井、吉井と先輩の村岡がボードゲームをしている緊迫感あるカットなど、菅田演じる吉井の周りを取り囲む、登場人物たちの謎めいたシーンカットが解禁となった。
そして、7月12日(金)から特典付きムビチケカードの発売も決定している。ムビチケカードは、海外用のポスタービジュアルと同様のデザイン。「WE ARE ALL UNDER A CLOUD(人は憎しみから逃れられない)」と英語コピーが記載されている。そして特典は、緊迫した様子で何かを一心に見つめる転売ヤー、吉井の横顔の上に浮かぶようにロゴがデザインされ、「NOT FOR SALE」の代わりに「NOT FOR RESALE」という文字が配された「転売禁止クリアファイル」だ。
本作でガンアクションに挑戦したという菅田だが、撃たれる側の演技はあれど、銃を撃つ演技は今回がはじめてとのこと。かつてガンアクションを数多く撮ってきた黒沢監督による熱血指導を受けた菅田の銃の扱い方にも注目しながら、本作を楽しんで欲しい。
文/鈴木レイヤ