“招き猫”神社でヒット祈願!『化け猫あんずちゃん』森山は「いやしの波が広がっていくのを楽しみにしていただければ」|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
“招き猫”神社でヒット祈願!『化け猫あんずちゃん』森山は「いやしの波が広がっていくのを楽しみにしていただければ」

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“招き猫”神社でヒット祈願!『化け猫あんずちゃん』森山は「いやしの波が広がっていくのを楽しみにしていただければ」

熱狂的ファンを持ついましろたかしによる同名漫画を、久野遥子、山下敦弘がW監督を務め、俳優の森山未來が主人公の化け猫の声と動きを担当した『化け猫あんずちゃん』が7月19日(金)より公開される。本日7月8日(月)、招き猫発祥の地ともいわれる今戸神社にて本作の公開直前大ヒット祈願イベントが行われた。

【写真を見る】撮影中は「猫耳カチューシャと、ベージュのTシャツ短パンで携帯電話を首からぶら下げていた」という森山
【写真を見る】撮影中は「猫耳カチューシャと、ベージュのTシャツ短パンで携帯電話を首からぶら下げていた」という森山[c]いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

登壇したのは、キャラクターの声と動きを担当した森山、五藤希愛、市川実和子、そして久野監督、山下監督。本殿で祈祷を受けたのち、キャスト、監督らが登場し、本作の見どころや撮影、制作の裏側、公開に向けた意気込みなどを語り、本作を製作したシンエイ動画と、フランスのMIYU Productionsのスタッフも登壇。日仏合作で贈られる本作の魅力をアピールした。

まずは本作について森山が「2020年にパイロット版の製作から始まって、そこから足掛け4年になるんですけども、まさかこんな大きな映画になって、招き猫の発祥と言われる神社にみんなで集まるようになるなんて、面白いですね。山下監督は以前もご一緒させていただいてますし、近藤プロデューサーも『苦役列車』の助監督で、脚本のいまおかさんもご一緒したこともあって、最初は“あ、面白そう”という軽い気持ちで参加させていただきました」と何年も前にスタートした企画が、思いもよらず大きなプロジェクトになったことに驚きの気持ちを表した。

キャストと監督に加え、シンエイ動画の近藤、MIYU Productionsのエマニュエル=アラン・レナール、ピエール・ボサロンが登壇
キャストと監督に加え、シンエイ動画の近藤、MIYU Productionsのエマニュエル=アラン・レナール、ピエール・ボサロンが登壇[c]いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

日仏合作である本作だが、一緒に作りたいと思った理由を聞かれ、フランスのMIYU Productionsのアラン・レナールプロデューサーは「何年か前に久野遥子監督の短編『Airy me』を観たときに、小さな宝石を見つけたような気持ちになりました。日本とやるからにはぜひ久野遥子監督と仕事がしたいと思っていたので、前のめりで参加させていただきました。とても光栄に思っています」と、久野監督の才能に惹かれたことがきっかけとなったことを語った。

「あんずちゃんが本当にいるような気がしてしまいました」と森山の演技力を絶賛する市川
「あんずちゃんが本当にいるような気がしてしまいました」と森山の演技力を絶賛する市川[c]いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

撮影現場での思い出の話になると市川は「現場ではみんな稽古中みたいな格好で。森山さんは猫耳カチューシャと、ベージュのTシャツ短パンで携帯電話を首からぶら下げていたのが印象的です」と、実写での撮影時に森山が化け猫風の衣装で演技をしていたエピソードを明かす。続いて森山は「録音とかもガンマイクを使って、映り込みを気にせず音を録ることを優先して撮影しました。あと、照明もいなくて、実写の撮影時はある種の自主映画のような感じでした。それが最終的にロトスコープでアニメーションになるということを考えて撮影が進められていきました。完成した作品は背景の色彩などが日本の色味の感覚とは違う質感だなと思いました。ロトスコープで表現される実写の動き、そして音声もほとんど現場で収録した音を使っているので、不思議な臨場感と没入感がありました」と、その完成度の高さに自信を覗かせる。

森山の猫のような動きに圧倒されたと語る五藤
森山の猫のような動きに圧倒されたと語る五藤[c]いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

また、市川は「本当にリアルで、あんずちゃんはシンプルなキャラクターでありながら、未來くんが演じる現実感というか、そのギャップであんずちゃんが本当にいるような気がしてしまいました」とその演技力を絶賛。五藤も「森山さんとは初日からご一緒させていただいて、あんずちゃんが木に登るシーンがあったんです。そしたら本番で、森山さんが本当に高い木に猫みたいな動きで登っていかれたのが凄かったです」と森山のしなやかな猫のような動きに初日から圧倒されたという。

監督を務めた、山下敦弘と久野遥子
監督を務めた、山下敦弘と久野遥子[c]いましろたかし・講談社/化け猫あんずちゃん製作委員会

そんな俳優たちが演じる実写映像をロトスコープでアニメーションに生まれ変わらせた久野監督は「お芝居が面白いところはそのまま面白くなっていきます。映画の撮影初日は今日みたいな暑い日だったのですが皆さん汗をだくだくかいていて、それだけで凄い迫力でした。なのでアニメでも綺麗に汗をかかせよう、玉のような汗にしようとこだわりました。そういうことができるのがロトスコープならではなのかなと思いました」と振り返る。

カンヌ国際映画祭「監督週間」にも選出された本作。山下監督は「正直、なんでカンヌに呼ばれたのかいまだにわかっていないのですが、カンヌのなかでも癒し枠としてのポジションだったのか、みんな温かい感じで迎えてもらいました」と笑いを誘い、続いて久野監督も「観た人にすごいいやしだったよと言われたりしました。妖怪だったり地獄だったり、海外の映画祭では宗教観の違いもあるのか、面白がってもらえたかなと思います」と海外の映画祭の舞台を経た感想を語る。


最後に森山は「この映画は国内だけでなく海外でも上映されますし、映画祭でもどんどん出て行くので、先ほどいやしの映画だとおっしゃいましたが、この癒しの波が広がっていくのを楽しみにしていただければと思います」と、“化け猫”の活躍に期待を込めた挨拶をし、イベントは幕を閉じた。

文/サンクレイオ翼

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