まるで泳いでいる感覚!?海洋クライムアクション『密輸 1970』は五感で海を堪能できるULTRA 4DXがおすすめ!
海女、密輸王、チンピラ、税関、さらにはサメも参戦し、金塊をめぐる命懸けの海中バトルを繰り広げる海洋クライムアクション『密輸 1970』(7月12日公開)。1970年代、韓国の沖合で密輸犯罪が盛んに行われていた…という史実から着想を得て制作された本作には、韓国映画界を牽引するリュ・スンワン監督がメガホンをとり、スター女優のキム・ヘス、ヨム・ジョンアがW主演を務め、チョ・インソン、パク・ジョンミン、キム・ジョンス、コ・ミンシら豪華俳優陣が集結している。
物語の舞台は1970年代、韓国西海岸の漁村クンチョン。化学工場の廃棄物により海が汚染され、地元の海女さんチームが失職の危機に直面。そこで立ち上がったのはチームのリーダーで義理人情に厚く責任感の強いジンスク(ヨム・ジョンア)。仲間の生活を守るために、素潜りの技術を活かし海底から密輸品を引き上げる仕事を請け負うようになる。過酷な現実を生き抜くために選んだ道だったが、ある日作業中に税関に摘発され、ジンスクや仲間たちは逮捕されるが、ジンスクの親友チュンジャ(キム・ヘス)だけが現場から逃亡。そして3年後。刑期を終えて出所したジンスクの前に現れたチュンジャが新しい密輸の儲け話を持ちかけるのだが…。密輸王のクォン(チョ・インソン)、漁村の若きチンピラのドリ(パク・ジョンミン)、税関の鬼係長ジャンチュン(キム・ジョンス)の思惑が絡むなか、海女さんチームが人生の再起をかけ大勝負に挑む!
2023年、第44回青龍映画賞で最優秀作品賞を含む4冠を獲得。韓国で500万人以上を動員し、年間興行収入ランキング3位を記録した大ヒット作がついに日本に上陸。密輸をめぐり勃発したサバイバル・バトルは、海の迫力を思う存分堪能したい作品。水深6メートルの巨大な水槽のセットを作り、アーティスティック・スイミング国家代表出身のコーチを指導役として招いて撮影した。全国6館で4DX上映される本作の水中シーンを、全国で唯一3面マルチプロダクションシステムと融合したULTRA 4DXで上映するグランドシネマサンシャイン池袋で一足早く体験。上映の一部シーン(冒頭)で、正面スクリーンと左右スクリーンの連結部分、黒いスペースが見えるのだが、これは全世界共通フォーマットによりスクリーン比率により生じるもの。しかし、これが映画のなか、海のなかへの没入感をより高めてくれる。
水や海が苦手で泳ぐことができない方は、ULTRA 4DXで海女さんレベルの泳ぎを疑似体験できる。泳げる人なら、一緒に泳いでいるような感覚が味わえるはずだ。実際に潜っているような感覚になるからこそ爽快感を堪能できるが、と同時にサメや敵に襲われる恐怖心もよりリアルに感じられる。さらにグランドシネマサンシャイン池袋では香りもニューモデルを採用しているので、海の香りも漂い五感で楽しむ映画体験を提供してくれる。特にクライマックスでの水中バトルシーンは必見。一癖も二癖もある登場人物たちのそれぞれの欲望が渦巻き、騙し騙されの予測不能な展開にハラハラドキドキが止まらない。
本作で注目すべきアクションシーンは水中に止まらない。チョ・インソン演じる裏社会の密輸王クォンの狂気が静かな初登場シーンやホテルの一室で繰り広げる血まみれの激しいアクションシーンで炸裂する。初登場シーンでは剃刀の刃でチュンジャの頭を躊躇なく切りつけ、軽い口調ながら裏社会を牛耳る曲者だと一瞬で分からせる圧がある。一転してホテルでチンピラと繰り広げる大乱闘シーンではベトナム戦争の英雄と呼ばれる軍曹らしいキレのあるアクションで、”生と死”を生々しく感じさせ、本物の強さを印象づける。血まみれのアクションシーンは、韓国映画らしくとても過激でクール。音楽もカメラワークも最高でチョ・インソンが魅せる悪のカリスマ感に痺れながら、浸りたいワンシーンとなっている。
アクションシーン以外にも、鮮やかな原色のカラフルなファッション、派手めのメイクやゴージャスなヘアスタイル、海と相性のよい歌謡曲から時代を象徴するファンキーな音楽まで。70年代のテイストが盛りだくさん。レトロポップな雰囲気漂うなか、美しい海と圧巻のアクションが堪能できる夏にぴったりの映画はULTRA 4DXで水しぶきを浴びながら楽しむのがおすすめだ。
文/タナカシノブ