ソン・ジュンギ演じる男の悲しい過去が明かされる『このろくでもない世界で』右耳の傷跡の理由に迫る本編映像
第76回カンヌ国際映画祭&第28回釜山国際映画祭に公式出品され、百想芸術大賞で4部門ノミネート、キム・ヒョンソが新人演技賞に輝いた話題の韓国映画『このろくでもない世界で』(7月26日公開)。本作より、18歳の少年ヨンギュ(ホン・サビン)に裏社会での生き方を教える地元の犯罪組織のリーダー、チゴン(ソン・ジュンギ)の悲しい過去が明らかになる本編映像が到着した。
ある地方の暴力が蔓延る町で貧困にもあえぐ18歳の少年ヨンギュと、彼の絶望漂う瞳にかつての自分を重ねた裏社会の男チゴン。傷だらけの2人が交錯した時、彼らの運命は思わぬ方向へ猛スピードで走りだす。
このたび解禁となったのは、これまで明かされていなかった、ヨンギュと同じ町に生まれ育ったチゴンの悲しすぎる過去が明らかになる本編映像。映像は、ボスにある仕事を頼まれていたヨンギュを迎えに湖のほとりに1人佇むチゴンから開始。組織の中で成長し始めたヨンギュに昔そこで起きたある事故について独り言のように語り始める。「ある男がよく来てた。子ども連れでな。そして、その子を1人で沖合に残す。男は湖畔で待つだけ」。その男は子どもに男が営む飲食店の食材を捕らせて自分は酒を飲んでいた。だが、ある日、いつも通り湖に入った子どもが出てこなくなったという。チゴンはさらに、タバコを燻らせ、時折ヨンギュの方も気にかけながら続ける。「もう1人釣り人がいた。その日も釣れるまで数時間座っているつもりだった。だが5分過ぎた頃、その日に限って竿に力強い引きを感じた”これは大物だ“男は喜んで必死に釣り糸を引いた」。
映像では、時折ある“箱”を作るチゴンの映像が挟まれる。「釣り人が釣り上げたのはほんの数センチの小魚だったという。”そんなバカな“と水の中を覗き、仰天した。男は、魚ではなく耳の切れた子どもを釣っていた。引き上げたが、子どもに息はなかった」と語ると、現在のチゴンの右耳の傷がクローズアップされる。その子どもはチゴンにほかならなかった。後ろ姿のチゴンは「死んでいたのに…、水を吐いて起き上がった」というチゴンの独白で映像は終わる。
まさにヨンギュのように酷い家庭環境で生まれ育ち、裏社会のボスに拾われいまの世界での人生に足を踏み入れていたのだった。私情を挟まず非情なまでに“汚い仕事”をこなすチゴンの壮絶な子ども時代を知ったヨンギュは覚悟を決め、ますます深みに嵌っていき、後戻りのできないある決断を下すことになる。
また、本作の公開を記念して、上映する全劇場にて入場者プレゼントの実施が決定。7月27日(土)、28日(日)2日間限定、先着で日替わりのオリジナル・ポストカードをプレゼント。27日は、ソン・ジュンギの直筆サインとメッセージがプリントされた日本版ビジュアル、28日は韓国公開時のティザービジュアルが、ポストカードとして配布されるとのこと。
“このろくでもない世界で”共鳴した2つの孤独な魂に、ほんの一瞬でも陽が注ぐことはあるのだろうか?ぜひ劇場で確かめて欲しい。
文/サンクレイオ翼