カルトの帝王、デヴィッド・リンチの傑作がデジタル復元版で甦る!
WOWOWで放映中の新シリーズ「ツイン・ピークス The Return」を手掛け話題のデヴィッド・リンチ。今年5月には“映画監督引退”を公言し、世界中の映画ファンを驚かせたことも記憶に新しい。そんな彼の代表作がスクリーンに甦る特集上映「デヴィッド・リンチの世界」が9月30日(土)から、角川シネマ新宿ほかで開催される。
リンチは長編デビュー作『イレイザーヘッド』(77)で熱狂的な支持を集め、続く『エレファント・マン』(80)ではアカデミー賞で作品賞を含む8部門にノミネート、一躍ハリウッドのトップクリエイターの仲間入りを果たした。また『ワイルド・アット・ハート』(90)『マルホランド・ドライブ』(01)などの作品はカンヌ国際映画祭でも高く評価され、批評家からも絶大な信頼を得ている。
90~91年に放送された「ツイン・ピークス」は日本の視聴者も魅了し、海外ドラマブームの先駆けとして注目を集めた。彼のイマジネーションは映画やミュージック・ビデオなどの映像作品にとどまらず、2011年にはミュージシャンとしてソロ・デビューも果たしている。
監督デビュー50周年の節目に行われる特集上映では、代表作から6本をラインナップ。記念すべきデビュー作『イレイザーヘッド』は4Kデジタル復元版で上映される。印刷工ヘンリーの精神の破綻を描いた本作は、シュールかつグロテスクなモチーフをモノクロ映像で捉え “伝説のカルト映画”として現在も語り継がれている。
さらに“リンチの最高傑作”との呼び声が高い『マルホランド・ドライブ』はデジタル復元版を上映。車の衝突事故で記憶を失った女が、記憶を取り戻すために奔走する姿を不条理かつ面妖な映像でつづっている。
今回の特集では『エレファント・マン』や『ツイン・ピークス ローラ・パーマー最期の7日間』(92)、『インランド・エンパイア』(06)、『ロスト・ハイウェイ』(96)も上映。この記念すべき年に、スクリーンで彼のシュールで美しい映像世界を堪能しよう。【トライワークス】