佐藤嗣麻子監督&夢枕獏のオーディオコメンタリーで『陰陽師0』の最深部へ迫る!「ここは晴明と博雅のラブシーン」
美術、衣装など、徹底した考証で具現化された平安文化
美術や衣装についても細部にまで目を凝らさなければ確認できないこだわりの数々が詰め込まれている。元々、本作の舞台設定でもある平安時代中期の美術について明確に記された資料は多く残されていなかったようで、佐藤監督は研究に研究を重ね、さらにそこから推察される情報やアイデアを加味しながら、各部門のスタッフと共に説得力のある平安世界を作りだしていった。そして、映画序盤の平安言葉を喋っていた登場人物たちが、現代言葉に切り替えられるという演出も含め、随所に平安時代の文化、ひいては“和”の文化全体への敬意が込められている。
オーディオコメンタリーでは、佐藤監督による詳細な説明でそれらを確認できる。平安中期は中国の唐風文化から国風文化へと移り変わろうとしていた時代のため、陰陽寮の建物をはじめ、公的な建物には唐風建築の影響がはっきりと残されている。また、陰陽寮の教室内で登場人物たちが土足で動き回っていることや、平安時代と聞いてイメージしづらい椅子と机を使って授業を受けている光景なども、当時の風俗に即して構築されていったものなのだという。
衣装も同様に、劇中に登場する平安貴族たちは皆、糊のきいていない柔装束を身にまとっていたり、特に決まりのなかった女性の装束は位が高くなるほど薄着になることなど、時代考証に忠実に再現されている。同時に晴明は“青”、博雅は“緑青”、徽子女王は“つつじ色”とメインキャラクターそれぞれにキーカラーが与えられ、色をもって彼らの特徴や役割、そして心情などが表現されていることも本作の衣装の特徴的な点。さらにアクションシーンのある晴明は、アクションシーン用とそれ以外のシーン用、2パターンの狩衣が用意され、どちらも自然素材の生地や伝統的な染色や織り方などが取り入れられているのだとか。
映像特典は3時間超!封入特典もたっぷり
今回は本作の魅力をオーディオコメンタリーの一部と共に紹介したが、コメンタリーではほかにも夢枕が「陰陽師」の原点に語るトークや、佐藤監督による撮影の舞台裏などが次々と明かされている。時折本編の内容から脱線してしまう、佐藤監督と夢枕の関係性にも注目してほしい。もちろんこのオーディオコメンタリーはネタバレ満載なので、まずは一度まっさらな状態で本編を楽しんでから、2度目の鑑賞のタイミングでオーディオコメンタリー付きにするのがおすすめだ。
また、ブルーレイ&DVDのプレミアム・エディションには、メイキング映像や各イベントの模様など3時間を超える映像特典が収録。さらに24ページのフォトブックレットと5枚組の両面アートカードにクリアファイルなど充実した封入特典に、豪華シルバー仕様のアウターケース入りの永久保存仕様となっている。家のテレビで観ても息を呑むほどの美しさと迫力を味わえる本作をコレクションに加え、日本最高峰のスタッフが放つ映像世界を隅々まで堪能しよう!
文/久保田 和馬
※山崎賢人の「崎」は「たつさき」が正式表記
商品内容:Blu-ray 本編ディスク1枚、DVD 特典ディスク1枚、フォトブックレット(24P)、両面アートカード(5枚組)、クリアファイル(B6 サイズ)
クリアファイル(B6 サイズ)
価格:6,480円(税込)
■『陰陽師0』DVD プレミアム・エディション(2枚組/豪華封入特典付)
商品内容:DVD 本編ディスク1枚、DVD 特典ディスク1枚、フォトブックレット(24P)、両面アートカード(5枚組)、クリアファイル(B6 サイズ)
価格:5,480円(税込)
■『陰陽師0』DVD
商品内容:DVD 本編ディスク1枚
価格:3,980 円(税込)
発売日:2024年9月4日(水)
発売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント
販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
本編DISC 1枚:Blu-ray 113 分
特典DISC 1枚:DVD