まるでヨルゴス・ランティモス祭り!?『憐れみの3章』35mmフィルム上映、過去作の再上映も続々決定
第96回アカデミー賞で主演女優賞を含む合計4部門に輝いた『哀れなるものたち』(23)に続く、ヨルゴス・ランティモスとエマ・ストーンによる最強のタッグ最新作『憐れみの3章』が9月27日(金)より公開。ストーンに加え、壮麗で芸術的なランティモス作品を共に作り上げてきたウィレム・デフォー、マーガレット・クアリーが再集結し、ジェシー・プレモンス、ホン・チャウ、ジョー・アルウィン、ママドゥ・アティエ、ハンター・シェイファーといった実力派が勢ぞろいした本作が35mmフィルムで上映されることに。さらに、過去作の再上映も続々と決定している。
『女王陛下のお気に入り』(18)と『哀れなるものたち』でアカデミー賞候補となった撮影監督のロビー・ライアンが参加し、独創性あふれるランティモスの世界をこだわりの手法で撮影。「魔法の杖」とも称されるフィルム撮影は、一筋縄ではいかない本作の物語を映し出すにあたり、そのビジュアルの質を驚くほど高めてくれたという。ランティモスのフィルム撮影へのこだわりは並々ならぬものがあり、本作の初お披露目となった第77回カンヌ国際映画祭でも、全ての上映が35mmフィルムで行われているほど。彼にとって、35mmフィルムでの上映はとても重要な意味を持っている。
そんななか、最新作『憐れみの3章』の35mmフィルムの上映が日本でも決定し、109シネマズプレミアム新宿で9月27日から上映される。さらに、同館では『哀れなるものたち』、『女王陛下のお気に入り』も同日から上映されることが決定している。
109シネマズプレミアム新宿での上映スタートを前に、映画好き必聴の大人気カルチャー番組「アフター6ジャンクション2」とのコラボ試写会で、日本最速での35mmフィルム上映となる『憐れみの3章』を鑑賞できるイベントも開催予定。上映後には、MCの宇多丸(RHYMESTER)、フリーアナウンサー、俳優の宇垣美里、ライター、編集者の小柳帝らによるアフタートークも実施されるなど、作品を様々な角度から余すことなく堪能できる内容に。
このほか、9月6日(金)からは、ホワイトシネクイントで『ロブスター』(15)、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』(17)の上映が予定されている。こちらは、ランティモスの初期作品からタッグを組み続けてきた脚本家エフティミス・フィリップとの共同脚本による独自の世界観を味わえる作品。フィリップとランティモス監督は、『憐れみの3章』でもタッグを組んで脚本作りに挑んでおり、ランティモス監督の原点にして集大成といえる最新作に向けても必見のラインナップといえる。
『憐れみの3章』公開に向けて日本映画界では、まるで天才監督ヨルゴス・ランティモス祭りが開催されていると言っても過言ではないこの状況。予測不可能な独創的世界観で、未知の映画体験を届けてくれる衝撃作の数々をぜひ劇場で。
文/平尾嘉浩