エマ・ストーン
Abigail Masham
オリヴィア・コールマンら実力派女優が共演し、18世紀初頭の英国王室に渦巻く女たちの愛憎劇を描く宮廷ドラマ。病弱な女王アンと幼なじみのサラの前に元貴族のアビゲイルが現れたことから、女たちの争いが始まる。監督は『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』など独特の映像表現で知られるヨルゴス・ランティモス。
日本時間2月25日(現地時間2月24日)に実施される第91回アカデミー賞の授賞式に向け、Movie Walkerがお届けする「アカデミー賞特集」。ノミネート作品リストはもちろん、今年の注目ポイントや映画ライターによる受賞予想、アカデミー賞関連のニュースやコラムをたっぷりお届け!
※結末の記載を含むものもあります。
女官長のレディ・サラは幼なじみである病弱のアン女王を意のままに操るなど、絶大な権力を握り、宮廷を取り仕切っていた。そんなある日、宮廷にサラの従姉妹だと名乗るアビゲイルが現れる。召使として働き始めたアビゲイルは、薬草でアンの痛風を和げるなどその働きぶりが認められ、侍女となるが、次第に野心に駆られていく。
Abigail Masham
Sarah Churchill
Queen Anne
Robert Harley
Masham
[c]2018 Twentieth Century Fox Film Corporation [c]キネマ旬報社
世間の大会社の中の、醜い足の引っ張り合いの渦中にいる人なら、自分の立場を投影させて評価する映画なのかも知れませんが、そういうのにさして興味がない人にとっては、単純に眠たいだけのツマラン映画に過ぎません。 こういう美人だけど悪女は、いるよね、きっと。……と思いますけど、それ以上の感想はありませんでした。 アカデミー賞を「受賞できそうもない作品」を、受賞式の1~2週間前に公開して、「アカデミー賞最有力」と宣伝するのは毎度のこと。 とはいえ、今回もうかつに宣伝戦略に乗せられてしまったマヌケが、この私です。 ※告知※ 今後、私のレビューは「映画コム」のほうに順次移行し、ムービーウォーカーに書いていたものは、移行終了後に削除することにしております。ご了承ください。
エマストーン演じる没落貴族の主人公が自身の美貌と知恵を駆使して成り上がっていくサクセスストーリー、、と言えばそうだけど、「ロブスター」「聖なる鹿殺し」のランティモス監督なのでそんな気持ちの良い話の訳もなく。圧倒的なカメラワークと居心地の悪いBGM、後半にかけてどんどん様子がおかしくなる展開はいつも通り。これまでの不条理・グロテスクな世界観が薄まった代わりに、キャラクターの心情描写は豊かに。ほんと面白い。
女王はどっちを取るの?まるで三角関係のようだがサラもアビゲイル彼女に対して愛情はない。国の頂点に立ち発する言動はその国のすべての者に絶対なのに、誰人女王に親身に寄り添わない。 裏があって近づくだけ。 極めて孤独だ。 サラの立場はおいしい。国を操りながら責任は負わない。しかしただのプラトニックだったら三人の泥沼関係にはならなかったのでは。男性のように表立って権力や支配が難しい時代。相手の裏の裏までかいてそれでも足元をすくわれたり。 …もっと女王が強い女性だったら。しかし無理もない。存在だけで精一杯。 さすが英国の宝石R.ワイズの凛とした気品。これに比べるとE.ストーンは若さ全面のYankee娘にしか見えんのよ。そして的中、オスカー!O.コールマンの神経衰弱な様に役作りのための増量。今となってはこんなの当たり前になっていることがすごい。(日本の俳優にはほとんどそれができない。) CMでは英国の大奥ってたとえてたけどそれは違うと思うぜ?
豪華絢爛な18世紀のイギリス王室の美術や、衣装に目を釘付けにされる一方で。 内容はといえば、老女王の寵愛によって権力を得るために、二人の女が繰り広げる同性愛ラブバトル映画でした。 いや、真面目な話、スリラーというか。 いかに権力を手に入れるかという目的のために、壮絶な騙し合い・殺し合いで相手を陥れる話なので、怖いんですよ。 ところが、ところどころに入れてくる、イギリス的(アイルランド・アメリカ要素も追加)の容赦ない下ネタギリギリのブラックユーモアがツボで。 愛撫が指派と舌派、どちらがいいか語る女王に、嫉妬を抱きあう女二人って構図に爆笑。 さらには、身分のためだけに、上流階級の軍人と結婚した舌派の女を、エマ・ストーンが演じているんですが、この初夜のシーンで私だけ大爆笑してて、他の観客は気まずさで静まりかえっていました。 実にシュール。
コワい、恐い、怖い・・・ 女王の隣を奪い合う女2人の争い。 いやあ、恐ろしすぎます。 騙し騙され、策の掛け合い。 これは女の世界だからなんでしょうか。 男の世界ではここまでゲスいのはちょっと想像できません。 何と言ってもこの作品の見どころは女優3人の演技合戦。 女王を演じたオリヴィア・コールマン。 女王を奪い合うライバル同士の レイチェル・ワイズにエマ・ストーン。 3人がアカデミー賞にノミネートはチョー納得。 助演女優賞はレイチェルとエマのどちらに栄冠が。。。 甲乙つけがたいとはまさにこの事。 アカデミー賞でもライバル同士の勝負が見どころ。
今年の映画賞レースを何かと騒がせている今作品。批評家からの評価も高いです。 そして監督は、「ロブスター」や「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」などが世界で高い評価を得ているヨルゴス・ランティモスとくれば、その2作を傑作と絶賛している私としては、どれだけ公開が待ち遠しかったか・・・ そして鑑賞! 期待どおり面白かったです。 正直、ストーリーは今までになかったわけではない展開ではありましたが、それに、ヨルゴス・ランティモス監督の感性と演出が加わることで、今までにない独特の世界観というか、面白さになっていました。 そして、なんといっても、3人の女優の演技合戦が半端じゃない!ひとり一人が心の内側までなりきって演じているので、映画を何倍も面白くしています。 特に女王アンを演じたオリヴィア・コールマンの演技は女王の心の葛藤と孤独さを少ないセリフにもかかわらず、まさに「演技だけ」で表現していて、感動さえ覚えました。 個人的には、レイチェル・ワイズが好きなので、「彼女が1番良かった」といいたいところではありますが・・・