ガーリーなツインテにシックなチャイナ服…『スオミの話をしよう』で長澤まさみが見せた圧巻の七変化!
七変化でミステリアスな女性を演出した『スオミの話をしよう』
なににでもなれるカメレオン女優ぶりを発揮し、コメディで輝きを放ってきた長澤は、最新作の『スオミの話をしよう』でもその実力を遺憾なく発揮している。
著名な詩人、寒川(坂東彌十郎)の妻スオミが突如として失踪する事件が発生。寒川の豪邸を訪れた刑事の草野(西島秀俊)は、自身の元妻でもあるスオミの捜査を正式に開始するべきだと主張するが、寒川は大ごとにしたくないとこれを拒否。
やがて気の短い庭師の魚山(遠藤憲一)、うさんくさいYouTuberの十勝(松坂桃李)、人情派の警官、宇賀神(小林隆)ら元夫たちが屋敷に集結し、捜査そっちのけで誰が一番スオミを愛し、愛されていたのか、議論を重ねていくことに。
スオミへの愛を熱く語り合う男たちだが、彼らの思い出のなかのスオミは見た目も性格もまるで別人。長澤はそれぞれの男から見えていたスオミの人物像を華麗に表現している。ツインテールヘアで奔放な雰囲気を醸しだしたかと思えば、ワンレンボブのおしとやかな女性になったり、さらにはド派手なジャージを身に纏い中国語でまくし立てたりとまさに変幻自在!
サバゲーに興じるミリタリーファッションにタクシー運転手姿、チャイナドレス、三つ編みのセーラー服など、次々と変わるファッションも見事に着こなしてしまうからさすが。スオミとはいったい何者なのか…巧みな演じ分けで物語の謎を深めている。
シリアスな社会派作品にも出演の機会が増え、女優としての幅をグッと広げている長澤まさみ。進化を続ける彼女が得意とするコメディで放つ七色の演技を、本作でも堪能してほしい。
文/サンクレイオ翼
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