中島みゆきの名曲「一期一会」にのせて北海道の広大な自然が映しだされる！『シサム』特別予告

アイヌと和人との歴史を描いた壮大な歴史スペクタクル映画『シサム』(9月13日公開)。本作より、中島みゆきの名曲「一期一会」を使用した特別予告(主題歌フルver)が解禁となった。

“蝦夷地”と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易を行っていた史実を基にした本作。主演は『菊とギロチン』(18)でキネマ旬報ベスト・テン新人俳優賞に輝き、『せかいのおきく』(23)や『首』(23)などの話題作に次々と出演し、著名な映画監督からの信頼も厚い寛一郎。蝦夷地に赴き、異なる文化や風習に触れることで、アイヌの持つ精神や理念に共鳴してゆく武家の若者を演じている。

交易の旅に同行する主人公の兄を三浦貴大、復讐相手となる男を和田正人。さらに、坂東龍汰、平野貴大、サヘル・ローズ、古川琴音、富田靖子、緒形直人、要潤などの豪華キャスト陣が脇を固める。脚本を手掛けたのは、「結婚できない男」や連続テレビ小説「梅ちゃん先生」などを手掛けてきた尾崎将也。本作では日本語とアイヌ語の台詞を混在させながら、現代社会における“不寛容”が暴力へと繋がってゆくプロセスを丁寧に紡ぎだしている。監督は「タイムスクープハンター」や小説「ブルバスター」がアニメ化されるなど、多岐にわたる分野で活躍している中尾浩之。北海道の大自然を活かしたダイナミズムな演出によって、作品に重厚なトーンを生みだしている。

主人公の高坂孝二郎(寛一郎)は兄、栄之助(三浦)とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていた。師範の大川(緒形)の「松前藩士は蝦夷地に入って一人前だ」という言葉を胸に、交易の旅で初めて蝦夷地に向かう決心をした孝二郎は、兄、そして高坂家の使用人である善助(和田)を伴って北の大地に赴く。

「兄上が一緒なら心配ない」と自信を覗かせる孝二郎だったが、ある夜、使用人の善助の不審な行動を見つけた栄之助は、善助に殺害されてしまう。兄の敵討ちを誓い、善助を追って森の奥深くへと向かった孝二郎。しかし、追いかけた先ではアイヌの間で和人への反発の動きが高まっていた。そんななか、孝二郎は脇腹を刺され負傷してしまう。瀕死の孝二郎を救ってくれたのは、敵であるはずのアイヌの人々だった。孝二郎は、アイヌの人の優しさに触れ、和人とアイヌの間にある深い溝や真実を知ることとなる。

同じ人間なのにお互いを理解することを放棄し、殺し合う和人とアイヌの人々。様々な思いが葛藤する本作の心情を、お互いを認め、分かち合おうとする人間愛に溢れている、中島の「一期一会」が盛り上げる感動的な特別予告が完成した。生まれた土地や文化の違いがあるなかで、人はともに生き、歩んでいくことができるのか。和人とアイヌの葛藤が、中島の力強い歌声にのせて描かれる。

強いメッセージが込められた「一期一会」が心に響き、広大な北海道の大自然を捉えた映像に圧倒される『シサム』。和人とアイヌの間で揺れる孝二郎の選ぶ道を劇場で見守ってほしい。

文/平尾嘉浩

※「シサム」の「ム」は小文字が正式表記