ティム・バートン監督が「私の“好き”を詰め込みました」と語る『ビートルジュース ビートルジュース』の魅力とは?
『チャーリーとチョコレート工場』(05)、『アリス・イン・ワンダーランド』(10)のティム・バートン監督最新作『ビートルジュース ビートルジュース』が9月27日(金)より公開となる。このたび、“ティム・バートンワールド”が炸裂した本作のフィーチャレットが解禁となった。
本作は、バートン監督の世界観を世に知らしめた原点の1つである『ビートルジュース』(88)の35年後を描くホラーコメディ。ディズニースタジオのアニメーターとしてキャリアをスタートさせたバートンは、30歳の若さで『ビートルジュース』を監督し、自身初の全米初登場1位を獲得。4週連続1位、11週連続トップ10入りのヒットを記録し、第61回アカデミー賞メイクアップ賞を受賞した。名実ともにハリウッドのヒットメーカーの仲間入りを果たし、ビートルジュース役のマイケル・キートンと再びタッグを組んだ翌1989年公開の『バットマン』で一気にその名を世界に轟かせることに。
前作から引き続き、本作でもキートンが主人公のビートルジュース役を務め、キャサリン・オハラがリディアの母親デリアを、当時16歳だったウィノナ・ライダーが娘を持つ母親になったリディアを演じるが、最新作のキャストで最も熱い視線を浴びているのが、リディアの1人娘であるアストリッドを演じるジェナ・オルテガだ。
若干21歳にしてすでに10年以上のキャリアを持つ彼女は、バートン監督が製作総指揮、監督を務めたNetflix「ウェンズデー」のヒロイン、ウェンズデー・アダムスに抜擢されると、ドラマは配信直後から世界的大ヒットに。ドラマの人気もさることながら、自らが振り付けし、劇中で披露した“ウェンズデー・ダンス”が一気に拡散され、レディー・ガガやマドンナが自身のSNSで披露するほどの社会現象を巻き起こした。インスタグラムのフォロワーは3000万人超の彼女は、世界中の若者から絶大な支持を得るトレンドアイコンとなった。本作では「ウェンズデー」に続き、再びバートン監督とタッグを組み、ハロウィンの夜に死後の世界に囚われてしまう物語のヒロインを演じる。
そして、物語のカギを握るもう1人は、ビートルジュースの元妻ドロレスを演じるモニカ・ベルッチ。バートン作品初出演にして、バラバラにされた身体をホッチキスで全身をつなぎ合わせた、まさにバートンワールドを体現したキャラクターとなっている。そのほか、リディアの婚約者ローリーをジャスティン・セローが、ドロレスとともにビートルジュースを追うウルフをウィレム・デフォーが演じる。本作は、第81回ベネチア国際映画祭のオープニング作品にも選ばれ、ワールドプレミアとなった上映会では、満場の拍手で喝采を浴びた。
解禁されたのは、バートン作品ならではの独創的な世界観の魅力に迫るフィーチャレット映像。『ビートルジュース』のヒロイン、リディアの姿や、人間怖がらせ屋ビートルジュースの登場シーンなど、前作の本編映像や、最新作『ビートルジュース ビートルジュース』のためにバートン監督が自ら描いた不気味で愉快なキャラクターのスケッチ、インタビュー映像のほか、バートン監督とキャストたちが撮影現場を楽しむ姿を捉えたメイキング映像など、貴重で贅沢なフィーチャレットとなっている。
本作でバートン監督と5回目のタッグとなったキートン。『ビートルジュース』『バットマン』など、大きなターニングポイントとなる作品をともに作り上げた彼は「独創的なティムと一緒に仕事をするとワクワクするんです」と、バートン監督との唯一無な撮影現場の経験を振り返る。
そして本作でバートン監督作に初出演としたデフォーは「1つの分野として成立するほど彼の作品は独特です」とまさに“ティム・バートンワールド”とも言われるその確立された世界観を称賛。セローは鬼才のイマジネーションが爆発する本作を「ティムの頭のなかに入ったよう」と形容するなど、キャスト一同が大絶賛している。
また、本作についてバートン監督は「私の“好き”を詰め込みました。私にとって非常に特別で思い入れのある作品です。1作目は奇妙で最高に面白い映画でした」とコメント。さらに「まるで1作目の現場にいる気がしました」と語るように『ビートルジュース』がいかに特別な作品であるのかを興奮気味に語り、バートン監督の“原点であり集大成”とも言える本作の魅力をしっかりアピール。
数々の名作を世に放ち、世界中を虜にする鬼才であるバートン。5年ぶりの長編映画となった本作の制作現場を振り返り「制作は非常に楽しかったです。芸術性を追求し心躍る日々を過ごしました。楽しくないはずがない」とコメント。映像では、まるで少年のように無邪気に撮影現場を楽しむバートン監督の姿が映し出され、鬼才が心のままに創造した本作への期待を高めるフューチャレットとなっている。
本作はすでに9月6日より、ワーナー・ブラザース最大規模のスクリーン数で全米公開を迎え、オープニング興行収入1億ドルを突破する脅威的な大ヒットスタートを記録。ティム・バートン監督史上歴代1位の『アリス・イン・ワンダーランド』(10)に肉薄する歴代2位の記録を樹立。全米をはじめイギリス、オーストラリア、スペインなど40か国でも初登場1位を獲得しており、9月27日(金)の日本公開にも期待が高まる。
文/山崎伸子