「安心して託せる!」と大和田伸也も太鼓判!映画『ライオン・キング:ムファサ』イベントで尾上右近にムファサ役を託す
1994年の公開から30周年を記念し9月20日から1週間限定でリバイバル上映された映画『ライオン・キング』(94)。最新作『ライオン・キング:ムファサ』(12月20日公開)に期待が高まるなか、『ライオン・キング』30周舞台挨拶が9月26日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催され、アニメーション&実写版『ライオン・キング』でムファサ王役の吹替声優を務めてきた大和田伸也が登壇。12月に公開する最新作で若き日のムファサを演じる尾上右近にバトンをつなぎ、ムファサ王への想いを語った。
最新作で描かれるのは、息子シンバを命がけで守ったムファサ王と、ムファサの命を奪った“ヴィラン”スカーの兄弟の絆を描く、『ライオン・キング』はじまりの物語。
壮大な風景のなかで繰り広げられる愛の物語であることが作品が愛されている理由だと話した大和田。「なかでも父と子の愛情、ふれあい、音楽がすてき」と笑顔を見せる。登場するキャラクターがチャーミングで、「家のなかは『ライオン・キング』のグッズであふれかえっています」と作品愛を明かした。
大和田は最初にオファーを受けた時はアニメーションの声をやったことがなく戸惑ったとしながらも、「自分にも息子が2人いたので、ぜひやりたい物語だと思いました」と父の顔を見せ、「男らしく、包容力に満ちあふれている役。ムファサの発する言葉を息子たち、そして子どもたちに聞かせてあげたい」との想いが役を引き受けた当時の心境だったと振り返った。息子シンバに語りかけるシーンがお気に入りだそうで、「イタズラをすると怒りながら語りかける。星を見ながら語りかける夜のシーンも好きです」と微笑むと、大好きな楽曲「サークル・オブ・ライフ」に続くお気に入りのセリフのひとつを特別に披露。迫力と優しさに満ちた大和田のムファサに観客がうっとりと聴き入っていた。
若き日のムファサを演じる尾上右近は「32歳の僕は公開30周年を迎えた『ライオン・キング』と共に育った世代です」とニッコリ。ディズニー作品の声優を務めることは夢だったそうで、光栄と思うと同時に、大自然の伝統のなかで生き、孤児から王になったムファサの姿に親が歌舞伎役者ではない家に育った自身の境遇を重ね、「歌舞伎界という伝統のなかで生きる、自分がやらせてもらえることにとても意味を感じています」と力を込め、大きな拍手を浴びていた。
右近の声は若きムファサ役にピッタリと絶賛の大和田は、「マイク前だと思わず、大草原を思い浮かべて、舞台をやるようにやってほしいと言われて、思い切りできたのがよかった」と最初の演出の様子を伝え、「右近さんは歌舞伎をやっているから、声もちゃんと出るし、すごくいいと思います」太鼓判。大和田の言葉を受け、「僕にしかできないムファサがある。自分の経験や心、魂を注ぎたいと思います!」と宣言し、再び大きな拍手を浴びていた。イベントでは右近が大和田から「サークル・オブ・ライフ」を歌ってほしいというムチャ振りに応える場面も。「ムチャ振りというより、ムファ振りです!」と戸惑う様子を見せるも、アカペラですばらしい歌声を披露し、会場を沸かせていた。また大和田は最新作で歌うシーンがあるという右近が「うらやましい!」とし、「これまでのムファサにはなかった。僕も劇団四季出身なので…」と自身に歌声を披露するシーンがなかったことを残念がり、笑いを誘っていた。
最後の挨拶で大和田は「右近さんの『ライオン・キング』愛が強いことは聞いていました。選ばれて、演じてもらえることを心強く思います。ムファサの愛を育てていただき、大人のムファサにつなげてください。期待しています」とエール。右近は「受け継がれることのメッセージ性が強い作品。大和田さんという先輩のお言葉をいただき、魂を受け継ぎ、自分なりのムファサを作っていきたいです。今日は忘れ難い日になりました。心から感謝の気持ちでいっぱいです。日本のムファサを誠心誠意務め上げます。武者ぶるいする思いです!」と感謝と気合の言葉を並べ、イベントをしめくくった。
取材・文/タナカシノブ
※記事初出時、人名表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。