第37回東京国際映画祭でナンニ・モレッティ監督3作品の特集上映が決定!
カンヌ、ヴェネチア、ベルリンの3大映画祭を制し、カンヌ国際映画祭コンペティション部門に8作品連続選出されているナンニ・モレッティ監督最新作『チネチッタで会いましょう』(11月22日公開)。このたび、第37回東京国際映画祭ののワールド・フォーカス部門にてイタリア特集が組まれることとなり、『チネチッタで会いましょう』を含むモレッティ監督の3作品が特集上映されることが決定した。
23歳でデビュー後、若くしてその才能を認められ40歳を迎える頃には世界3大映画祭全てで賞を受賞し、モレッティアーノと言われる熱狂的なファンを持つ映画監督モレッティ。そんなモレッティ監督を代表する3作品が第37回東京国際映画祭にて上映される。最新作となる『チネチッタで会いましょう』は、時代の変化についていけず、真ん中にいると思っていたらはみ出してしまっていた映画監督が、失意の後に大切なことに気づくというヒューマンドラマ。フェデリコ・フェリーニやクシシュトフ・キェシロフスキ、マーティン・スコセッシなど映画へのオマージュを交えつつ、ところどころに自身の過去作品を引用して、変化の激しい世界に適応することの難しさをユーモラスに描きだす。
『赤いシュート』(92)は、交通事故によって記憶喪失となってしまった水球選手が、自身でも認識できない現実を再確認することで失われた記憶を取り戻そうとする姿を描いた人間ドラマ。『親愛なる日記』(95)は、3章で構成された、ローマとシチリアの島々そして病院を巡る映画監督の姿を切り取った映像日記。ローマをベスパというスクーターでめぐる姿が印象的で、第47回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞し、カイエ・デュ・シネマ誌年間ベストワンに選ばれた。
東京国際映画祭のプログラミング・ディレクターの市山尚三は「パーソナルな題材を映画に昇華し、若くして国際映画祭の寵児となったナンニ・モレッティは、70歳を越えた現在に至っても、新進監督のような軽やかな映画を作り続けています。長いこと日本では見ることができなかった初期の代表作『赤いシュート』を含む3作品、是非ともお楽しみください」とメッセージを寄せた。
決して押しつけがましくなく、いつも開かれている、そんな作風で知られるナンニ・モレッティ監督の最新作を含む3作品をぜひ東京国際映画祭で楽しんでほしい!
文/サンクレイオ翼