アニメーター・坂本勝のトランスフォーマー愛が爆発!コラボポスターに込めた想いと、雨宮哲監督へとつながる“人生の分岐点”
「『トランスフォーマー』から受けた“好き”という要素は、これからも大切にしていきたい」
そんな坂本にとって「トランスフォーマー」の存在は、“趣味”をきっかけにしながらも、自身の“仕事”にも多くの影響を与えているという。なかでもTRIGGERで共に仕事をしてきた雨宮哲監督とは、「トランスフォーマー」をきっかけに、関係性が大きく変化したと話す。
「僕は『トランスフォーマー』を好きになったおかげで、結構仕事の幅が増えた部分があるんです。『SSSS.GRIDMAN』で一緒にお仕事をさせていただいた雨宮さんは先輩だったのですが、実は最初のころは話すきっかけがなく、自分が『トランスフォーマー』にハマったのがきっかけでよく玩具の話をするようになり、そういった流れで企画会議とかにも参加させていただいたりと、『トランスフォーマー』が縁で『SSSS.GRIDMAN』のキャラクターデザインができたという部分もあると思います。『トランスフォーマー』は、大好きな作品というだけではなく、ある意味“人生の分岐点”でした」。
「トランスフォーマー」好きと公言し広がることで、新たな仕事へと繋がったと話す坂本。その熱いシリーズへのリスペクトは、自身の作品づくりにも影響を与えているという。「『トランスフォーマー』に限った話ではないですが、好きなものやテーマがないと漠然としてしまって無味乾燥なものができてしまうんですが、そこに自分の好きなものや興味のあるものを変換して取り入れる事によって引っ掛かりや縛りができて、つくるものに味が出てくるんです。『トランスフォーマー』から受けた“好き”という要素は自分のなかでも大きく影響してるので、これからも好きなものや興味があるものを大切にしていきたいですね」。
最後に、今回のイラストポスター企画や40周年記念スペシャルムービーで、「トランスフォーマー」に興味が出てきているであろう、TRIGGERファンやアニメファンに向けて、『トランスフォーマー/ONE』の魅力を語ってもらった。
「普段TRIGGERの作品を見ている方たちは、アニメ作品は大好きながら、『トランスフォーマー』関連作品はあまり観てないんじゃないかな?と思うんです。でも、僕や雨宮さんにとっては、『トランスフォーマー』から得た知識や発想は作品づくりのなかにそのエッセンスが多分に含まれていて、アイデアソースの根幹という部分として存在しています。『トランスフォーマー/ONE』はこれまでのシリーズを観たことがない人でも触れやすい作りになっているので、ぜひ僕たちが好きなものを観て、なにか感じてもらえるといいなと思います。
一方で、ロボットしか出ていない、人間のキャラクターが一切登場しないという部分では特殊な作品でもあるんですが、『トランスフォーマー』をちゃんと観たことがなくとも知っている人が多い、オプティマスとメガトロンの関係性の話はものすごく楽しめる要素だと思うので、そこに注目する形でぜひ入門編として観ていただければと思います。そして、そこから『トランスフォーマー』にハマってもらえるとうれしいですね」。
取材・文/石井誠