第73回アカデミー賞で作品賞に輝いた『グラディエーター』(00)の24年ぶりの続編を、巨匠リドリー・スコット監督自身が放つ『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(11月15日公開)。このたび本作な壮大な光景と貴重なコメント満載の特別メイキング映像が到着した。
最大級の栄華を誇った大帝国、古代ローマを舞台に、ローマ軍によってすべて奪われた男が剣闘士(グラディエーター)となって復讐を誓う姿を描く本作。前作『グラディエーター』は、第73回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞(ラッセル・クロウ)を含む5部門受賞(12部門ノミネート)を果たした。続編の『グラディエーターII』もスコット自身が監督を務めているが、アカデミー賞作品賞受賞作の続編が、同じ監督によって作られるのは、フランシス・フォード・コッポラ監督による『ゴッドファーザー』(72)の続編、『ゴッドファーザー PART II』(74)以来。本作がアカデミー賞作品賞を受賞すれば約50年、半世紀ぶりのシリーズ2作連続受賞となる。
公開を目前に控えた11月上旬に、主演のポール・メスカルをはじめ、フレッド・ヘッキンジャー、コニー・ニールセン、アカデミー賞受賞俳優のデンゼル・ワシントンのメインキャスト4名、プロデューサーのダグラス・ウィック&ルーシー・フィッシャーという豪華キャスト&スタッフが来日することも発表され、いよいよボルテージが最高潮を迎えつつある本作。ハリウッドが誇る巨匠が、自身の伝説的名作の続編をさらにグレードアップさせ撮り上げるということに期待が高まるなか、本作の撮影セットにカメラが密着したメイキング映像たっぷりの特別映像が解禁された。
苛烈な物語と熱い闘いの舞台となるコロセウムに再び身を投じるスコット監督は「前作から25年の時を経て、またこの地に戻れてうれしいです」と語り、なお情熱をみなぎらせた充実の表情を見せる。豪華キャスト陣もこれほどまでの大規模セットでの撮影に、その場にいるだけでも心のたかぶりを隠し切れない様子で、「(気分は?)最高です!」と笑顔を見せるメスカルが「水が張られたコロセウムや野獣との闘い。歴史上、実際に行われていたんです」と人間の限界を超える闘いに臨んでいることを明かす。
ペドロ・パスカルが「今作を作り上げているものすべてが、想像を絶します。個性的な登場人物が壮大な物語を繰り広げます。まさに“超大作”という言葉に尽きますね」と言うと、ワシントンも「私のキャリア史上最大の作品です。とにかく規模が桁違いです」と豊かなキャリアを誇る名優たちも言葉を揃える。
セットの完成度と新たな物語の深みについては、前作にも出演していたニールセンの「素晴らしい脚本です。人生のあらゆる側面が描かれている。再びあの闘技場に足を踏み入れた時は感動的でした」という証言や、監督が「本物に勝るものはないです」と力を込めて言うように、魂を震わせる物語と渾身のアクションを作り上げるために全スタッフ、全キャストが気合十分に臨んだであろう現場の雰囲気がカメラを超えて伝わってくる。
2000年の公開当時、ほかに類を見ないスケールと鮮烈な演出、CGに頼らないリアルな迫力を最大限に追求した映像クオリティに世界中がうなった前作『グラディエーター』。10月11日(金)からは再上映『グラディエーター 4Kデジタルリマスター』も始まっており(24日(木)まで)、改めてその偉大さと迫力にSNS上では話題沸騰中だ。本作だからこそ味わえる最高峰のグラディエーター・バトルをぜひ五感すべてで堪能いただきたい。
文/山崎伸子