J・R・R・トールキンの傑作小説をもとに、ピーター・ジャクソンが監督と共同脚本を務めて映画史にその名を刻んだファンタジー超大作「ロード・オブ・ザ・リング」三部作。2004年に日本公開された第三部『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)から20年の時を経て、「ロード・オブ・ザ・リング」から遡ること200年前の知られざる伝説の戦いが映画化。『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』として12月27日(金)より公開される。そして、いままでベールに包まれていた本作の物語の全貌が、ついに明らかになるタペストリーと、一筆一筆手描きで行う制作過程を映し出した特別メイキング映像が解禁となった。
このハリウッド超大作の監督に抜擢されたのは、世界中の熱狂的ファンに支持されている日本アニメーションの第一人者で、「東のエデン」や「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」で知られる神山健治。そして製作総指揮には、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを手掛けたジャクソン、プロデューサーとして同じく全シリーズの脚本を担当したフィリッパ・ボウエンが名を連ね、“中つ国”を舞台にした壮大なサーガが再び紡ぎ描かれていく。
美しく洗練されたワンシーンが凝縮され、壮大なスケールで描かれたタペストリーは圧巻。巨大な怪物を背景に、槍を手に馬で駆ける若き王女ヘラ(声:小芝風花)の姿からは、馬術と剣技に優れた凛々しい王女であることがうかがえる。ローハンの民を守るため、国の命運のために戦う宿命を背負うことになるヘラ。彼女の覚悟とその壮絶な戦いが切り取られている印象的なシーンだ。
そのすぐ横にはアイゼンガルドにそびえ立つオルサンクの塔や、ローハンをバックに炎に包まれながら巨大象ムマキルと戦う兵士たちといった大迫力のカットの数々が立ち並ぶ。また、吹雪の中で勇ましくそびえ立つシルエット、予告でも姿を見せていた大鷲が翼を広げる神々しいビジュアルも壮観。そして、かつて共に育ったヘラの幼馴染であり、王国の脅威となるウルフ(声:津田健次郎)と対峙するシーンもあり、それぞれの揺るぎない信念が感じられる対立構図となっている。
また、角笛城の側には黄金の甲冑に身を包んだローハンの騎士が剣を掲げているなど、壮大な物語の片鱗が垣間見える重要なシーンがちりばめられたタペストリーになっている。果たして、映画ではどのようにしてこれらのシーンがつながっていくのか、中つ国で繰り広げられる伝説の戦いに期待が高まる。
あわせて到着した特別映像では、壮大な楽曲と共に、熟練の制作スタッフが一筆一筆丁寧に手描きでキャラクターを描き上げていく様子が映しだされている。細部にまでこだわった表現と制作スタッフの情熱が融合した映像だ。
さらに、本作のラージフォーマット上映が決定。通常版のほかに、IMAX、Dolby Cinema、4Dでも上映されるとのこと。誰も知らなかった伝説の戦いの全貌が徐々に明らかになってきた『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。この伝説の戦いが、どのように「ロード・オブ・ザ・リング」三部作へと繋がるのか。ぜひ、大迫力のスクリーンと最高の音響で堪能してほしい。
文/平尾嘉浩