「出てくる人全員がムキムキ。いい身体には一通り目が行きました!」(詩)
数多くの主演作を世に放ってきたワシントンが「キャリア史上最大の作品」と絶賛した壮大で美しく、どこを見渡しても完璧に再現されているコロセウムのセット。一二三は試合の合宿でローマを訪れた際に実際のコロッセウムに足を運んだことがあるという。「中に入ったこともあるけれど、相当デカい。(本作のように)実物大を建設するってどういうこと?って思っちゃう」と目を丸くする。映画を観てローマに行きたくなったと話した詩は「こんなに人が出てくる映画は観たことない!あの人が入る大きさってことでしょ?」と、そのスケールの大きさに脱帽していた。
柔道界最強の二人はグラディエーターの強さをどう感じたのか。「強い。弓が当たっても倒れない!」とその強靭な肉体の強さに触れた詩。一二三は「傷がエグい。武器を持ってなければ勝てるかもしれないけれど、傷は痛いからイヤ」と自信をのぞかせながらも顔をしかめる。剣闘士たちは「初めからみんな強かったし、ルシアスのリーダーの感じがすごくよかった」と指摘。「第一線で自ら闘うリーダーには憧れる。背中を見せる強さはすごい!」と、ルシアスの統率力、生まれながらのリーダー気質に頼り甲斐を感じていたようだ。
闘う男たちの肉体も本作の注目ポイントだ。ルシアス役のメスカルは週6日のトレーニングと徹底した食事管理を6か月間続け、英雄ルシアスの身体を作り上げた。その過酷なトレーニングの様子も特別映像で公開中だ。「出てくる人全員がムキムキ。集団のなかにすごくきれいな筋肉の人を見つけました。いい身体には一通り目が行きました!」と登場人物の筋肉美に触れた詩。映画に限らず、普段から鍛えている人の身体には目が行くという一二三も「目に留まる人が多かったです」と鍛え抜かれた肉体による大迫力のぶつかり合いを堪能したようだ。
「人が闘う理由は人の数だけあるのかなって思います」(一二三)
復讐心から始まるも闘いを重ねるなかで、闘う理由に変化が生まれていくルシアス。登場人物それぞれが持つ“闘う理由”も心が揺さぶられるポイントだが、阿部兄妹はどんな思いで闘いの世界に身を投じているのだろうか。「一番は自分のため」と切りだした一二三は「自分の夢や目標を叶えるため。そこを曲げるのはダメだと思う。でもそれと同じくらい支えてくれるたくさんの人に勝って恩返したいという気持ちもあります」と強調。
詩は「映画でも『力と名誉』っていうセリフがあったけど、自分の限界を追い求めて、どこまで強くなり、どこまで勝ち上がれるのかという探究心、そのなかで勝ちたいという意志が出てきて、最終的には自分のために闘っているんだなって思います」とし、「闘いの前の緊張感、なにが起きるのかわからないという点では、似ている部分もあるんじゃないかな」と剣闘士たちとの共通点にも触れた。「僕たちはやっぱり自分たちが追い求めているもの、自分のために闘っているけれど、映画では“国のために”というのが描かれる。意味は違うけれど、背負っているものの大きさは同じだと思います」と解説した一二三は「人が闘う理由は、人の数だけあるのかなって思います」とも話した。
『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』という本作のタイトルにちなみ、二人にとっての“英雄”の人物像についても聞いてみた。一二三が英雄に求めるのは「スター性」。「人間を引っ張っていく能力、人を惹きつける力、周囲を盛り上げる力を完璧に持っているのが英雄だと思います」とのこと。「ずっと背中を見せてくれる人。どれだけ自分自身が犠牲になっても人のために突き進んでいくのが本当の英雄。人のことや批判を気にして言えないことも多い時代だけど、そのなかで自分の意思を貫いていけるのが英雄なのかなと思います」と語り、具体的には「両親」と答えた詩。
本作で描かれる親の強さについても「剣闘士としてのお父さんは確かに強かった。そしてお母さんも子どもを守ろうとするなかで強さを見せていた。本当の英雄だなと思いますね」と、子どもを守るためにはなにを犠牲にしてでも!という底知れぬ親の強さにも言及し、本作で描かれるのは剣闘士たちの強さだけではないともアピールしていた。
取材・文/タナカシノブ
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