『劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK』(公開中)の映画公開記念舞台挨拶が11月9日、新宿バルト9にて開催され、エレン・イェーガー役の梶裕貴、ミカサ・アッカーマン役の石川由依、林祐一郎監督が登壇。ファン待望の劇場版だけの特別映像として上映されている「進撃のスクールカースト」の感想も交えた「進撃の巨人」への熱い思いを語った。
「別冊少年マガジン」にて、2009 年から 2021 年まで連載された諫山創による原作は、全世界で累計発行部数1.4億部を突破。TVアニメは2013年に放送開始となり、シリーズの最後を締めくくるTVアニメ「進撃の巨人」The Final Season 完結編(後編)は2023年11月に放送された。原作、アニメは完結したが、いまもなお、世界中に熱狂的なファンを抱える人気コンテンツだ。
本作を映画館ではまだ観ることができていないという梶は、観客にうらやましいと声をかけ笑顔。初日に映画館で鑑賞した石川はストーリーを知っていながらも「目と耳と心にダイレクトにくる。進撃を浴びたなぁという感じです!」と満足の表情を浮かべる。林監督もまだ映画館で観ることができていないと明かし、「ちゃんとした劇場の環境では観れていなくて。ダビングは劇場環境(に近いもの)ではあるけれど、お客さんと一緒にスクリーンでは観れていない」とし、同じ空間でリアクションを肌で感じたいと願望を語っていた。
昨年初夏のアフレコを振り返り、「ちょうど子どもが絶賛風邪をひいていて。もろに浴びてコンディションはいいという感じではなかった。でも、アフレコの日だけは声が出て。ここですべてを出し尽くしたのか、次の日は全く声が出なくなりました(笑)。心身ともにボロボロの感じがエレンとリンクしていました」と結果オーライだったとし、いまとなっては笑い話と豪快に笑い飛ばしていた。
本編最後に流れる「進撃のスクールカースト」は、原作コミックスの巻末に描かれていた嘘予告で、ファン待望のアニメ化となる。エレン、ミカサ、アルミンの幼なじみ3人が映画を鑑賞した後、感想を言い合っているという、今回の劇場版にぴったりの内容となっている。アフレコを振り返り「おまけ要素なのかな、コミカル要素があるのかな、などとと思っていたら、いざ収録に入るとみんながアツくなって(笑)」と思い出し笑いの梶。どんな内容であれアフレコがアツくなる、それこそが「進撃の巨人」らしさだとしみじみしていた。
最後の挨拶で林監督は、劇場公開ができたのはファンのアツい声援があったからこそと感謝し、「原作、放送が終わったにもかかわらず、みなさんが(劇場に足を運んで)観てくださっている稀有な作品です。そんな作品に携わることができたのは最大の誇りです」と充実感を滲ませる。石川は公開初日に客席で鑑賞し、進撃ファンの熱量を体感したとし、「長く追いかけてくださった方がすごく近くにいて、観終わった後に『泣いた!』とか(感想を言いながら)沸き立っている空間がとても貴重だと思いました。それだけでも胸がいっぱいになりました」と感謝を伝え、何度も観てこれからも10年以上本作を引きずって欲しいと呼びかけ、大きな拍手を浴びていた。
梶は「テレビ放送でご覧いただいているであろうなか、その上で、映画館で観たいと思わせられる作品というのは、諫山先生の作る唯一無二の、今後2度とないくらいの作品だからだと感じています。そんな作品のエレンという一人の人間を演じることができて本当に幸せだと思います。何度も映画館で観て欲しいです。10年以上と言わず、死ぬまで、いや、死んでも引きずっていただきたいです。少なくとも僕はそうありたいと思います!」と宣言し、進撃ファンの熱気に満ちた空間でのアツい舞台挨拶を締めくくった。
取材・文/タナカシノブ