西垣匠が語る、映画『六嘘』の“表と裏”「みんなが『お前に合わせる』と言ってくれた」【『六人の嘘つきな大学生』公開記念インタビュー連載】

インタビュー

西垣匠が語る、映画『六嘘』の“表と裏”「みんなが『お前に合わせる』と言ってくれた」【『六人の嘘つきな大学生』公開記念インタビュー連載】

「みんなが『お前に合わせるから』と言ってくれたんです」

――共演者に助けられたシーンはほかにもありますか?

「やっぱり、最終ディスカッションで袴田が告発されるシーンですね。6人の中で一番最初に告発されるというのもあって、演じる前からけっこう怖かったんですけど、そこでみんなが、いい意味で僕を孤立させてくれたんです。それに、あそこは逆ギレした袴田が森久保につかみかかったり、波多野(赤楚)や九賀(佐野)がそれを止めようとするアクションっぽい動きもあったけれど、みんなが『お前に合わせるから』と言ってくれたんです」

何者かによって置かれた告発文により、次々と6人の“嘘と罪”が明らかとなる
何者かによって置かれた告発文により、次々と6人の“嘘と罪”が明らかとなる[c]2024「六人の嘘つきな大学生」製作委員会

――自分が告発されるシーンを撮る日の前日は、緊張して眠れない人もいたみたいですね。

「いや、本当にそうでした。僕の場合、自分への告発文を見て動揺する僕の顔にカメラが寄ったところでその日の撮影は終わって。次の日、朝イチにその続きから撮るというスケジュールだったので、“どうやって前日の緊張感を再現すればいいんだろう?”と思ったし、2日目の朝は“どうしよう、どうしよう”ってずっと言ってました(笑)」

話題作への出演が続く西垣匠
話題作への出演が続く西垣匠撮影/宮崎健太郎

――役者のリアルな不安感を出すための意図的な演出だったのでしょうか?

「1日目は撮影が巻いて終わったぐらいだったので、僕は“一気に撮っちゃえばいいじゃん!”って思ったんですけど(笑)、次の日に一番元気な状態でできたので、結果的にはよかったと思います」

――それまで明るく振る舞っていた袴田の裏の顔があの告発文で暴露され、空気が一変します。隣の席の矢代(山下)からは「近づかないで!」とも言われますが、現場もピリッとしたムードに変わりました?

「僕も必死過ぎて周りが見えてなかったような気がします。でも、カットがかかったあとも、そのピリピリした空気が継続するような現場ではなくて。みんなで『普通こんなこと言う?』って笑い合ったし、突き飛ばす芝居があった倉には『ごめんね、ごめんね』ってフォローもしたので、僕ら自身の関係がギスギスすることはまったくなかったです」

――西垣さんが今回大変だったシーンはほかにもありますか?

「意外とクランクインのファミレスのシーンがつらかったかな。6人が最終選考の内容を伝えられて、お互いに『はじめまして』と言うあの撮影は、まだどんなテンションで行けばいいのかわからなくて。あそこを乗り越えたことで芝居の方向性がわかったけれど、実は一番キツかったかもしれないです」

『六人の嘘つきな大学生』は11月22日(金)公開
『六人の嘘つきな大学生』は11月22日(金)公開[c]2024「六人の嘘つきな大学生」製作委員会


――本作のように、同世代の俳優が結集してお芝居をする撮影ならではの、刺激を受けた点があれば教えてください。

「本当に助け合っていたなと思います。例えば、『このセリフは(状況的に)言いにくい』と誰かが言ったら、別の誰かが『ここでそれを言えるのは、自分しかいないと思う』と意見を出してセリフを交換したり。アクションが絡んだシーンで『こういう動きをして欲しい』という監督の演出があった時に、『だったら、僕がこっちに行ったほうが動きやすいよね』とか『このタイミングで動いたほうが、移動しやすいよね』というアイデアをみんなで出し合いましたから」

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