「レジェンドホラー映画祭」を独占レポート!大森時生・梨・近藤亮太が集結、清水崇は“恐怖の原点”を語る
幻のホラー『ザ・チャイルド』が47年ぶりにスクリーンで上映!
翌日の11月11日には、1976年にスペインで製作され、長らく“観る機会のない”伝説の映画として語り継がれてきたナルシソ・イバニエス・セラドール監督の『ザ・チャイルド』が47年ぶりにスクリーン上映。本作を「未来のクリエイターに観せたい名作ホラー」として推薦した「日本ホラー映画大賞」選考委員長の清水崇監督と、前日のトークで本作を“トラウマ”だと語っていた近藤監督がトークショーに登壇した。
ある常夏の孤島を舞台に、子どもたちが無邪気に大人たちを襲うというショッキングな内容で知られる本作。近年セルブルーレイなどがリリースされたものの、近年配信やレンタルはされておらず、来場者のほとんどが今回初めて鑑賞したという。清水監督もVHSがリリースされた20年近く前に初めて観たと明かし、「『呪怨』の時によく『ザ・チャイルド』の影響を受けているだろうと言われたのですが、その当時は観たことがなかった。あとから観たら一致する部分があって、ずっとスクリーンで観てみたかったんです」と、本作を推薦した理由を告白。
そして「“子どもが暴力を行なう”というだけでも、道徳的にまずいだろうと世界中の意見が一致するようなテーマ。今後もこんなテーマで企画は通らないでしょう。僕自身も、子どもが恐ろしいという恐怖の感覚を取り入れるのが好きで、『こどもつかい』という作品で子どもを恐怖の対象として描きました。それに“村”や“島”のような閉鎖的な空間で変な文化に出会ってしまったりという点も通じるところがあります」と、自身の手掛けてきたホラー作品の原点となったことを明かした。
さらに自身の手掛けた作品だけでなく、ロマン・ポランスキー監督の『ローズマリーの赤ちゃん』(68)やロビン・ハーディ監督の『ウィッカーマン』(73)、ウルフ・リラ監督の『未知空間の恐怖 光る眼』(60)などの古典作品から、アリ・アスター監督の『ミッドサマー』(19)やエスキル・フォクト監督の『イノセンツ』(21)などとの共通性について紐解いていく清水監督。
「今回初めてスクリーンで観て、僕自身も色々と発見したことがあったので、もっと色々なところで上映できるような体制になっていければうれしいですね」と笑みをこぼす。それを受けて近藤監督も、「ほかにも埋もれてしまっている映画がたくさんあると思うので、この上映の反響が伝わればきっと今後にもつながるはず。僕は『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』をスクリーンで観たいです」と観客に呼びかけると、清水監督も「黒沢監督の『降霊』と、自分の作品ですが『輪廻』をスクリーンで観てみたい」とアピールしていた。
7日間にわたった「レジェンドホラー映画祭」を受けて、本日11月15日の18時半からは「第3回日本ホラー映画大賞」の入選作上映会が行われ、入選作9作品が一挙に上映される。
そして明日11月16日(土)の17時からは、「第3回日本ホラー映画大賞」の授賞式が挙行される。選考委員長の清水監督のほか、選考委員として堀未央奈、FROGMAN、宇野維正、小出祐介、ゆりやんレトリィバァという面々が揃い、商業映画監督デビューが約束される第3回大賞を発表する。また、授賞式に続いては大賞と選考委員特別賞の上映も行われるため、本日都合が悪かった方にも朗報だ。
各日のチケットはグランドシネマサンシャイン 池袋 公式サイトにて販売中。両日とも残席はわずかだが、来られる方は是非とも劇場で、未来を担う新たな才能の誕生を目撃してほしい!
文/久保田 和馬
■11/15(金)
「第3回日本ホラー映画大賞」授賞作上映会
18:30~(3時間程を予定)
■11/16(土)
「第3回日本ホラー映画大賞」授賞式
17:00~19:30予定
・授賞式
(大賞/選考委員特別賞/ニューホープ賞/株式会社闇賞/PRESS HORROR賞/シネマンション賞/⾖⿂雷賞/シネマサンシャイン賞/ギークピクチュアズ賞)
・選考委員選評トークイベント
・授賞作品上映(大賞、選考委員特別賞のみ)
▼チケット料金
■「第3回日本ホラー映画大賞」入選作上映会 料金
¥1,500
■「第3回ホラー映画大賞」授賞式 料金
¥2,000
▼チケット発売
「グランドシネマサンシャイン 池袋」公式サイトにてチケット発売中!
※最新情報は「日本ホラー映画大賞」公式Xにてご確認ください。