人気の児童小説を実写化する映画『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』が12月13日(金)に公開となる。このたび、本作のオリジナルキャラクターを演じた伊原六花がテレビアニメ版にも出演することが明らかになった。
「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズは、廣嶋玲子作、jyajya絵による児童小説。老若男女、幸運な人だけが辿り着ける、不思議な駄菓子屋“銭天堂”を舞台に、願いが叶う「ふしぎ駄菓子」を買った人々の顛末が描かれる。2013年に小説刊行がはじまると、子どもたちの間で瞬く間に人気を博し、現在も継続刊行中。2024年4月からはシリーズ新章もスタートした。2020年からはアニメ映画化、テレビアニメ化され、2022年に第三回「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」にて第1位を獲得している。さまざまなメディアミックスが反響を呼ぶなか、12月13日(金)公開で実写映画化されることが発表されていた。
“銭天堂”に売られているのは、どんな願いでもかなえることのできる「ふしぎ駄菓子」たち。銭天堂で店主を務めるのは、色とりどりのガラス玉のかんざしで結いあげた真っ白い髪に、真っ赤な口紅と古銭柄の赤紫色の着物を着た、紅子。彼女は、福引用の抽選器を回して出た硬貨1枚と引き換えに、悩みを持つお客様が望むお菓子を売っている。そんな年齢不詳の怪しい女店主、紅子役を務めるのは天海祐希。また、『リング』(98)や「スマホを落としただけなのに」シリーズの中田秀夫がメガホンをとり、脚本は、『映画 聲の形』(16)の吉田玲子が担当する。
8月に入って以降は続々とキャスト情報が解禁となっており、新米教師役の等々力小太郎役の大橋和也に続き、小太郎の大学時代の後輩で、ファッション雑誌の編集者である相田陽子役に伊原、さらに原作でも人気の高い「たたりめ堂」店主のよどみ役に上白石萌音が決定していた。
先日実施された「宣伝開店&完成報告イベント」では主演の天海をはじめ、小学生役として出演している白山乃愛、ヒット作に立て続けに出演する番家天嵩も登壇。古くから代々続くリアルな駄菓子屋とリアルな小学生との世代を超えた駄菓子屋イベントの様子にSNSをはじめとした各媒体の露出でも多くの反響を呼んだ。
そしてこのたび、伊原がテレビアニメ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」へ出演することが決定。2020年9月からNHKのEテレで毎週金曜日に放送されているテレビアニメ「銭天堂」。2024年4月からも放送継続が決定するなど、原作の児童小説だけでなくテレビアニメでも人気を博している。そんな人気アニメで、伊原が声優に初挑戦。
映画では、伊原はオリジナルキャラクターの雑誌編集者、相田として出演しており、原作でイラストのみ登場していた“おしゃれサブレ”という駄菓子に関わる重要な役どころを演じている。一方、アニメ放送で描かれるのは、変わり映えのしない毎日に退屈している16歳の高校生、弓削前湊斗(声:入野自由)がメインのエピソード。ある日、道で金色の招き猫こはくを助ける。すると、銭天堂の紅子が家にやってきてお礼に好きな駄菓子と“ドラマチックどら焼き”をもらう。これを食べた湊斗は、身の回りでドラマチックなことが次々と起こるように。そして後輩のくるみ(声:伊原六花)とデートすることとなり、遊園地でいい雰囲気になるのだが…。
初めて声優に挑戦した伊原は、「手が震えるくらいめちゃくちゃ緊張しました…。デビューしてから割とすぐくらいからずっと声のお仕事をやりたいと言っていたのでやっと叶ったのでとても嬉しかったです」と喜びのコメントを寄せた。アニメでは15歳の高校生という役どころを演じるにあたって「はじめは実年齢より10個くらい下の役なので若々しくやったほうがいいのかなと思っていたんですが、今回湊斗先輩を演じる入野自由さんから、割とそのまんまの等身大で大丈夫だと思うって先に言っていただいていたので、自由さんのお声を聴きながら変に若作りしすぎないように、そのまま演じることができました!」と役作りに関してのエピソードも明かした。
実際にアフレコブースに入る伊原は、緊張すると言いつつも堂々とくるみを演じ切り、その声は15歳の高校生そのもの。周りのスタッフも「初めてとは思えない!」と絶賛した。最後に今回参加した感想を聞かれると「この大人気シリーズへ参加できたことがすごく幸せでした。緊張はしたんですが、楽しくワクワクしながらできたのでぜひアニメの方も楽しみにしていただけたらなと思います。そして映画は実写化するにあたって子供たちもワクワクする不思議なファンタジーの中にちょっと大人もハッとするようなストーリーになっていると思いますので、ぜひ劇場で“銭天堂”の世界に入っていただけたらなと思います」と“銭天堂”シリーズへの魅力を語っている。
アニメの放送は、12月6日(金)NHK Eテレで午後6時40分からを予定している。映画「銭天堂」とあわせて、アニメ「銭天堂」もぜひ楽しんでほしい。
文/鈴木レイヤ