ソニー・ピクチャーズによるマーベル最新作『クレイヴン・ザ・ハンター』(12月13日公開)のトークイベントが12月10日、ソニー・ピクチャーズ試写室にて行われ、スペシャルゲストの手越祐也が登壇した。
原作のマーベルコミックでスパイダーマンの宿敵として登場するクレイヴンは、ヴェノムにも匹敵する強さを誇るヴィラン。引き締まった強靭な肉体に野獣のようなパワーとスピード、研ぎ澄まされた五感で、獲物をどこまでも追跡するというキャラクターだ。動物との意思疎通も可能で、周りの猛獣たちをも従える、まさに”百獣の王”のような存在の彼が、いかにしてその力を得て、悪名高き最強のハンターとなったのか。本作では、その誕生の物語が描かれる。
和製クレイヴンに扮して登場した手越は「クレイヴンの生き様が大好き!」と映画の感想を伝える。映画のなかでもアクション映画が一番好きだそうで、空き時間にふらりと映画館に足を運ぶことも多いそう。「世界的に流行ったアクション映画はほぼほぼ観ています。タブレットなどで手軽に観られる時代だけど、映画館用に作られているから、劇場で観るのが一番好きです!」とこだわりを明かす。ドライバーを務める友人と2人で行くことも増えたそうだが、「基本的には映画はおひとりさま。映画を観ている2時間くらいってしゃべることもないから、1人で行くのが楽でいい」とし、「映画は本当に好き!」と力を込めて語っていた。
本作の主人公クレイヴンは”百獣の王”のような存在。ライオンが大好きだという手越は「幼稚園のころから”キング”という響きが好き。サッカーもやっていたから、”エース”とか”得点王”とか頂点に立つことへの憧れが強い。いろんな意味でトップへの憧れがあったから、(今回、クレイヴンになりきることで)映画でそれが叶うなんて!という感じ」とご満悦。
クレイヴンの魅力いついては「ルックスもかっこいいし、運動神経も半端ない。なにより生き様がかっこいい」と目を輝かせ、一本芯を感じる人生、生き様に共感し、惚れ込んだようだ。周りに合わせてうまく生き抜くために、自身の信念を弱めることはしたくないとも話した手越は、「合わせることも必要だけど、たとえアンチを生んでも生き様を曲げるのは後悔につながることがわかっている。だから僕は、とにかくやりたいことにまっすぐに突き進み、大切な人への愛情や(自身の)正義を貫きたいです」と強い意志を明かし、いろいろなことと闘いながら正義を貫くクレイヴンは「かっこいい!」と強調していた。
クレイヴン役のアーロン・テイラー=ジョンソンの鍛え抜かれた身体も本作の注目ポイントの一つ。「クレイヴンとは生き方が違うから鍛え方も違う。クレイヴンのようなワイルドさはないけれど」としながらも、手越がこだわる体づくりがあるという。「ライブでは2時間以上を歌って踊る。体が重くならないようにトレーナーと相談しながら週に2〜4回くらいジムに通って鍛えています」と明かす。アクション作品への出演オファーがあった際には「そういう役が来たら合わせた体づくりをします」と宣言するも、「作品が終わったらちゃんと(自分仕様に)戻しますよ(笑)」と、自身のパフォーマンスにあわせた体づくりが基本にあることを念押ししていた。
自身のワイルドなところについては、「新幹線などで話しかけられるのはほとんど男性。最近話しかけられた50人くらいは100パー男性です!」と告白。「一応アイドル出身だし、ライブには女性ファンも多く来てくれる」としながらも、普段声をかけられるのは男性がほとんどだとし、「話しかけられやすいのもあるかもしれないけれど、若干、僕のワイルドな部分に共感して声をかけてもらえているのかな」などと予想。生き様に共感したり、なにかを感じ取ってくれている同性が多いのかもと話しながら、「もしくは女性に人気がないのかな」などと自虐し、笑いを誘う場面もあった。
クレイヴンのように本能のまま行動する姿に共感し、ある種の自信も感じたと明かした手越。「誰かを傷つけるのは大嫌い。だけど、思ったことをダイレクトに伝えのはいいと思う。叩かれるんじゃないかって考えながらのほうが疲れる。本人がいいと思ったことを言えばいい。(反応を考えすぎて)本音を捻じ曲げて伝えるのはもうその人の発言じゃない」と力説。「手越祐也のストレートな発言に無理だと思う人は無理でいい。面白いと思ってくれる人を大事にすればいいと思っています」と力強く語り、「敵を作ることを恐れないクレイヴンはまっすぐでかっこいい。自分の信念を通し、自分の一番大事な人は守る」ということを映画から強く感じ、共感したとアピールしていた。
イベントでは2024年の「今年の漢字」を発表するコーナーも。手越が書いた文字は「跳」。「叶えたい野望を追い求めて4年。最初は叶わないことがたくさんあったけれど、信念を貫いてやり続けていれば、叶えたいお仕事もできるようになる。2024年は(これまでに)蒔いた種が花開くと期待していた。4年ぶりに自分を育ててくれたバラエティ番組『イッテQ!』にも参加できたし、ワンマンでツアーを2回もできた。YOSHIKIさんのプロジェクトにも参加することになり、いろいろな挑戦が花開く年になりました」と充実感を滲ませた手越は、「映画のなかでもクレイヴンが跳びまくっています。夢に向かってジャンプってすごくいい言葉だと思っています。手越っぽくもあり、クレイヴンっぽくもある!」と自身が選んだ漢字に大満足の様子で微笑んでいた。
取材・文/タナカシノブ